能動的サイバー防御、今月にも有識者会議立ち上げへ
小手川太朗 鬼原民幸
国の重要インフラへのサイバー攻撃を防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向け、政府は5月にも法整備のための論点を整理する有識者会議を設置し、初会合を開く方向で調整している。憲法が保障する「通信の秘密」をどう守るかなどを議題とし、早ければ今秋の臨時国会で関連法の改正を目指すが、課題は多く、難航も予想される。
能動的サイバー防御は「アクティブ・サイバー・ディフェンス(ACD)」とも呼ばれ、政府は一昨年末に改定した国家安全保障戦略に導入を明記した。これまで、海外からのサイバー攻撃に対して事後的な対応を余儀なくされてきたが、法改正により、海外のサーバーを平時から監視し、攻撃を未然に防ぐ狙いがある。
林芳正官房長官は7日の記者会見で「サイバー対応能力を向上させることは、現在の安全保障環境に鑑みると、ますます急を要する重要な課題だ」と指摘。有識者会議については「できるだけ早期に開催できるように努力をしていきたい」と語り、早期の法整備に意欲を示した。複数の政府関係者によると、有識者会議は早ければ今月にも開催する方向で調整中だという。
政府は有識者会議の議論を経…