乳牛に広がる鳥インフル、米国で拡大なぜ 酪農場の労働者も散発感染
鳥で流行し、致死率の高い鳥インフルエンザウイルス「H5N1」に感染した乳牛が今年春以降、米国内で相次いで確認されている。酪農場で働く人への感染も散発的に起き、これまでに4人の感染が報告された。鳥インフルエンザはなぜ牛で広がっているのか。
乳牛や未殺菌の牛乳から病原性の高い鳥インフルエンザの陽性反応が出たと、米農務省が最初に発表したのは3月25日だった。米国南部のテキサス州と中西部のカンザス州の牛で、乳の出が悪くなったり、食欲が落ちたりして病気が疑われたことが検査のきっかけになった。
その後の調査で、このウイルスは「2.3.4.4b」という系統に属する「H5N1」の亜型だとわかった。
乳牛の感染が確認されたテキサス州の農場では、敷地内で野鳥の死骸が見つかっていた。このため、ウイルスは鳥が持ち込んだとみられている。しかし、それ以降も各地の農場の乳牛でH5N1の検出が相次いだ。7月中旬までに、13州160以上の群れで感染が確認されている。
感染牛のミルクから多量のウイルス
各地に広がった一因は、感染した乳牛を移動させたことだ。米政府は4月に州境を越える乳牛の移動にウイルス検査を義務づけた。一方で、農場内で複数の牛に感染が広がっており、何らかの理由で牛から牛に感染している可能性が指摘されている。
では、どう広がったのか。米…
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