「亡き息子を覚えていて」 奨学金へ思い託した両親 日航機墜落事故
川村さくら
京都市の同志社高校で34年にわたって続く奨学金がある。「四方(しかた)秀和奨学金」。同校の卒業生で、1985年の日航ジャンボ機墜落事故で亡くなった四方さんの名前が冠されている。息子の存在を後世に残したい。四方さんの両親が母校に託した思いは、事故を知らない若い世代にも受け継がれている。
四方さんは京都市出身で、同志社中高、同志社大で学んだ。大学卒業後、就職した85年の夏、墜落事故で命を落とした。当時22歳。東京の知人に会いに出かけた帰りで、初任給で買ったチェックシャツ姿だった。
「おとなしくてまじめな生徒でした」と高校3年時に担任だった饗庭一慶(かずよし)さん(75)は話す。理系科目が好きだった四方さんは高校で化学部に所属し、コンピューター関連の企業に就職した。
四方さんは一人っ子で、両親…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら