福島原発構内に入った学生たち 現場で考える「復興まちづくり」とは
岸めぐみ
廃炉作業が進む福島県の東京電力福島第一原発。この夏、まちづくりを研究する東北大大学院の学生らが放射線の影響が残る構内に入った。原発事故の被災地をどう再生するのか。そのヒントを探ろうと現場を歩いた。
バスが原発本体に近づくにつれ、車内の線量計の数値が、みるみるうちに上がった。8月20日、福島原発構内。バスを降り、1~4号機が見晴らせる高台「ブルーデッキ」に上ると、防護服に身を包む作業員数人が事務所に戻る姿が見えた。
この日、原発構内に入ったのは、福島県の原子力災害被災地の復興まちづくりを研究している東北大学公共政策大学院修士1年の研究グループ6人と御手洗潤教授ら。
1~4号機は約13年半前の事故で、核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」に至ったり水素爆発を起こしたりした。放射能汚染が広がり、周辺地域は住民が避難を余儀なくされ、まちは空洞化。避難指示の解除以降、人々は少しずつ戻りつつあるが、事故前の状況にまで戻ったとは言いがたい。
「歯医者のレントゲン1回分です」
学生ら一行は、手のひらサイ…