第1回関口宏さん、小学生で継母と知り「そんなもんかな」 いま語る半生

有料記事関口宏 淡々と、貫いて。

聞き手 編集委員・高橋純子
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 36年半というのはやっぱり大きいんだね。この4月から、心にぽっかり穴があいたまま。たぶんもう、ふさがることはないんだと思う。時とともに、穴の存在を意識することは減っていくんだろうけど。

 《今年3月いっぱいで、36年半続けた「サンデーモーニング」(TBS系)の司会を降板。今はBSの三つの番組で司会を務めている》

 今も週に5日は仕事をしていますが、「ヒマだな」と思います。「サンデーモーニング」をやっている時は、日々の出来事を追わねばならず、気が休まらなかったから。やっぱり、テレビ番組をつくることが一番の「趣味」。あとは、うまい酒を飲むことかな。平日はスタッフや共演者らと外で、土日は家でゆっくり食卓を囲みます。

 テレビ司会者・関口宏さんが半生を振り返る連載「淡々と、貫いて。」。全5回の初回です(2024年10、11月に「語る 人生の贈りもの」として掲載した記事を再構成して配信しました)。

 《妻は「コーヒー・ルンバ」「アカシアの雨がやむとき」などのヒット曲で知られる歌手の西田佐知子。四つ年上だ》

 8年前、東京・世田谷に建てた家を断腸の思いで売却しました。女房が足を悪くしたので、シニア向けマンションの一室を購入。手狭だから、女房と、半世紀近く住み込みのお手伝いをやってくれている〝のりちゃん〟がそこで暮らし、私は近くのタワーマンションに。ところが気圧の関係か、夜まったく眠れなくなっちゃって。これはたまらんと数カ月で手放し、運良く空いた、女房と同じマンションの別の部屋に越しました。

 3人であれこれおしゃべりして、じゃあねと自分の部屋に帰って寝る……って、自分の話をするのは得意じゃないんだよ。育った環境がわりと複雑だったから、生い立ちをつまびらかにしたこともあまりない。だけど親きょうだいもみんな亡くなったし、そろそろお話ししてみましょうかね。聞いて面白いかは、わかりませんよ。

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