第5回海底ケーブル、日本政府はどう守る? 小林鷹之・元経済安保相に聞く

有料記事「帝国の手先」 海底ケーブル

田中奏子 黒田健朗
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 国際通信の99%が経由する重要インフラでありながら、切断や盗聴など国家の安全を脅かすリスクもある海底ケーブル。それをいかに守っていくか。元経済安保担当相の小林鷹之氏に、今後政府がとっていくべき方策を聞いた。

 ――海底ケーブルをめぐる情勢をどうみていますか。

 「まず、そもそも情報通信というものが全ての産業の基盤にあるという認識でいます。私はエネルギーと情報通信が基盤になる産業だと思っている。情報通信の通信量が過去10年間で15倍ぐらいになっている。その99%を海底ケーブルが担っている。当然、海底ケーブルを国として守っていくということは経済安全保障上、極めて重要です」

 ――守っていくために、どんな検討をしてきましたか。

 「2020年の年末から2021年の頭にかけてリスク点検をやろうということを私が言い出しました。エネルギー、情報通信、金融、運輸・交通、医療という五つの産業を戦略基盤産業と位置づけて、この五つの産業の色んなリスクを考える。そのインパクトがどれぐらいあって、リスクが顕在化しないようにするために、あるいは顕在化した時にどういうことが必要で、その政策の優先順位をどうやってつけるかっていうのを洗い出しました」

 「情報通信産業についてのリ…

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この記事を書いた人
黒田健朗
経済部|総務省担当
専門・関心分野
漫画、アニメ、放送
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    小泉悠
    (東大先端科学技術研究センター准教授)
    2024年12月28日8時0分 投稿
    【視点】

    ケーブル敷設船の増強と自動化は冗長性の改善という意味で非常に重要だと思います。有事にはケーブルは切れる、あるいはケーブルが切れた時は有事であるという前提で備えておく必要があるでしょう。 また、これと関連して、重要海底インフラの監視能力をさら

    …続きを読む