昨年のスペイン巡礼で一番避けたかったのは、ワインの飲み過ぎ。
巡礼で歩いたリオハ州はワインの名産地で、地元のワイナリーが巡礼者のために無料でワインを提供しています。石造りの壁に蛇口があり、ひねると赤ワインが出ます。巡礼メニューには赤ワインがついてくるし、スペイン人は昼から飲む人もたくさにます。
結局、それほど羽目を外すことなくほどほどに飲んで歩き続けることができましたが、これは毎日新しい刺激があって楽しかったから。日本に帰国すると元の木阿弥に。
つまらないから飲むのです。そして、今日一日、立派なことが何もできなかったという苦い思い。憂さ晴らしに一杯飲むと「また飲んでしまった」と自分を恥じてまた飲むという『星の王子様』に出てくる酔っ払い状態になってしまいます。
しょっちゅう旅に出ているのは、旅先では毎日が刺激に満ちていて飲まずに済むから。しかし、夜に外食するとアルコールを頼まないとお店に悪いと思い、地酒などを楽しみます。
先日、沖縄旅行で泊まったオリオンホテル。昨年改装したばかりのすばらしいホテルなのですが、ビール会社が経営しているだけあって、一階はティールームではなくビアダイニング。ウエルカムドリンクでビールが選べます。しかも部屋の冷蔵庫に入っているニールも無料。とてもいいホテルですが、アルコールに流されがちな私には罪な場所でした。
ホテルでいい加減飲んでるのに、近くのバーへ。沖縄と南米を融合した「エルレキオ」。
大航海時代、沖縄に来たスペイン人とポルトガル人が琉球を「レキオ」と呼んでいたそうです。ガルシア=マルケスにあこがれコロンビアに行くことを夢見ている私はぜひ行っておきたいバーです。
人気店なので午後7時の開店直後にお邪魔しました。カウンターには関西出身だという若い女性のバーメイド。お客さんが少ない時間帯だったので話が弾みました。
大谷翔平の事件で依存症の怖さが知れ渡りました。やめたいと願っているのにやめられないのが依存症の恐ろしさです。
バーレキオでは2杯目はノンアルコールのカクテルにしました。
NHKのラジオビジネス英語の舞台はロンドンに本社があるワイン商社。イギリスのパブでノンアルコールのドリンクを飲む人が目立つという表現がありました。
It seems to me that almost half of them are drinking non-alcoholic drinks.
そして、ある調査によるとパブの客の3分の1近くが、まったくアルコールを飲まないそうです。
According to one survey, nearly a third of pub-goers in the UK are now completely alcohol-free.
世界の潮流は「ソバーキュリアス」。英語のsober(しらふ)とcurious(好奇心)を組み合わせた造語で、ビジネス英語でも取り上げられていました。アルコールだけが唯一の依存先だと深みにはまるので、旅行やダンス、読書、ドラマなど依存先を複数にしてなんとかこの一生を逃げ切りたいものです。