第7回私はウクライナ人、夫はロシア人 プーチン憎くても…殺せというの?
ロシアに侵攻されたウクライナから、大勢の人たちが隣国ポーランドに殺到している。大渋滞のなか3日かけて車でたどり着いた人、歩いて国境を渡った人、戦争で仕事を失った人……。戦禍を逃れようと退避した人の多くが、早く戦争が終わり、祖国に帰れる日を待ち望んでいる。
「お祝いができなくて、ごめんね」
ロシアがウクライナ侵攻を始めた2月24日の夜10時、ハリーナ・ハニュンナクさん(50)は娘のカテリーナさん(11)に申し訳ない思いでいっぱいだった。建設業の夫ドミトリーさん(46)と相談し、カテリーナさんの誕生日に、西部リビウの自宅を出た。
2日分の食料や衣類をバッグに詰め、ペットのチワワ犬ニックを車に乗せ、ロシア軍がいない西のポーランドに向かった。
ウクライナ人のハリーナさんは約20年、モスクワに住んでいた。ロシア人のドミトリーさんとは、カフェで働いているときに出会った。10年前、リビウに移り住んだ。
ロシア軍の侵攻が始まっても、リビウに被害は出ていなかった。だが、「ロシア人だから」と夫のことを悪く言う人が周囲にいて、耐えられなくなった。
「プーチン(ロシア大統領)…
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