第86回戦争したくないと表明…浴びせられた「恥を知れ」 消える個人の自由
戦禍のウクライナで、出国する自由や「前線に立たない自由」を求める市民たちがいる。ロシア軍の侵攻後、18~60歳のウクライナ人男性の出国が原則禁じられているためで、「自由や民主主義の原則に反する」と訴える。戦時下にあって、人権の制限はどこまで許されるのか――。重い問いを突きつけている。
一時帰国の4日後、ロシアが侵攻
オレクサンドル・ディウバノフさん(30)がウクライナに一時帰国したのは2月20日だった。
ラトビアの家具製造会社に勤めて3年。首都キーウ(キエフ)で、息子(2)がラトビアに住み続けるための行政手続きをする必要があった。
4日後、ロシアが侵攻した。翌25日のラトビア行きの便はキャンセルされた。
ウクライナでは総動員令が発令され、18~60歳の男性国民は招集の可能性に備え、国を離れることができなくなっていた。例外は3人以上の子ども、あるいは障害のある子どもを育てている親などに限られる。
ディウバノフさんは出国しようと、鉄道とバスを乗り継ぎ、30時間かけ西部のポーランド国境の検問所へたどり着いた。
だが、2分で門前払いされた…
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