第7回摂食障害でひきこもり 昼夜逆転だった僕が就職「すごい、やりがい」

有料記事摂食障害×働く

編集委員・清川卓史
[PR]

 小学生のころから、学校が嫌すぎて、いつも逃げだしたいと思っていた。

 小野寺慧さん(20)は、じっと座って授業を受けたり、体育で集団行動をしたりすることが苦手だった。

 学校でも自宅でも、無意識に自分の髪の毛をプチプチと抜くようになり、丸いハゲができた。

 心配した親と一緒に病院に行くと、発達障害ADHD(注意欠如・多動症)の傾向があると言われた。

 中学生になっても、学校が耐えられないという思いは強まるばかりだった。

 もともと小食だった。成長期にもかかわらず、さらに食が細くなった。加えて極端な偏食だった。

 食べるのは肉類と、ピザなどの炭水化物ばかり。ごく一部をのぞき、野菜は口にしなかった。

 給食も残してしまうことが多く、身長は伸びるのに体重が増えなかった。

 「マッチ棒みたい」。親は心配し、学校の先生からも「病院に行っては?」と言われた。

 3年生のとき、運動会に向けた組み体操の練習をきっかけに、本格的な不登校になった。

 やせ細った体に同級生の体重がのるのは、耐えがたい苦しさと痛みだった。

 練習のとき、自分のミスのせいで、失敗してしまった。

 恥ずかしさと罪悪感。

 友達に合わせる顔がないと、学校に行けなくなった。

 高校進学はしないつもりだっ…

この記事は有料記事です。残り2576文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
清川卓史
編集委員|社会保障担当
専門・関心分野
認知症・介護、貧困、社会的孤立