第8回摂食障害で働く人、コロナ禍で増加 支援乏しい日本「社会的損失に」

有料記事摂食障害×働く

聞き手・森本美紀
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 摂食障害を抱える人たちが、安心して働き続けるにはどうすればいいのか。大阪公立大医学研究科教授で、摂食障害と就労に詳しい精神科医の井上幸紀さん(61)に、現状や課題を聞いた。

 ――摂食障害と就労の現状について、どうみていますか。

 摂食障害の患者数の増加と治療期間の長期化により、患者は若い世代から中高年世代まで幅広く存在しています。摂食障害はだれもがなり得る病気といっていいでしょう。働く女性のなかにも摂食障害が増えており、特にコロナ禍によるストレスをきっかけに、拒食や過食に向かう人たちが増えている印象があります。

 私は企業で産業医もしていますが、社員からの相談は増えています。「やせているようだが仕事を続けてもらっていいか」と、上司から相談されることもあります。

 ――こうした相談に対し、どのように答えていますか。

 本人の困り事は食事、人間関係など色々あります。本人の了解が得られれば、どうすれば働きやすくなるのか、上司や看護師、保健師らと話し合う機会をつくることを勧めています。

 その際に大事なのは、会社側が病気を特定しようとするのではなく、「あなたのことが心配」と共感を示すことです。

 ――職場の支援は十分できているでしょうか。

 摂食障害の病態は多岐にわたり、治療も長期に及ぶこともあります。そのため、患者の人生の一部として理解したうえで、対応する必要があります。

 職場は重要な生活の場の一つで、職場のストレスは食行動に影響を与えます。しかし、職場における摂食障害への対応は十分とはいえません。

 ――具体的なデータはありますか?

 大阪産業保健総合支援センタ…

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この記事を書いた人
森本美紀
くらし報道部
専門・関心分野
障害福祉、介護、認知症、生きづらさ、単身社会 、高齢化するマンション
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    インベカヲリ★
    (写真家・ノンフィクションライター)
    2023年10月14日12時11分 投稿
    【視点】

    摂食障害で仕事をしている人は多いと思うけれど、生活が維持できるということは、それだけ症状が長引くということでもあると思う。 何人か話を聞いたことがあるけれど、吐けない過食で、限界まで太って、どうにもならなくなったという人だけが早く回復して

    …続きを読む