ショック体位ですぐエピペン、発症は命の危機 給食事故に医師の訴え
食物アレルギーのある児童が小学校の給食で激しいアレルギー症状「アナフィラキシー」を起こし、一時入院した。事故を受け、小・中学校や保育施設の関係者を対象に、発症時の対応を確認する研修会が現地で開かれた。アレルギー専門医は「どこでも起こり得る事故だ」と指摘し、日ごろからの意識づけも求めた。
「アナフィラキシーを起こしたときは生命の危機で、時間とともに治療が困難になる」。11月15日の研修会で講師を務めた小児科の田中泰樹医師(58)は、児童のかかりつけ医の立場から当時を振り返り、素早い対応が要求されると力を込めた。
事故は9月5日、新潟県の上越市立小学校で起きた。児童には乳・乳製品に重いアレルギーがあり、この日の献立の一つはクリームコーンを使ったスープだった。クリームコーンの納品時に包装の配合成分表(原材料欄)に「脱脂濃縮乳」とあるのを見逃し、発注、調理の段階でもマニュアルに従わないずさんな対応がとられた結果、乳成分が給食に混入した。
トイレで意識なくしていたら…
まず、給食が始まって10分後の対応に問題があったとした。
午後0時25分、児童は担任の机の前まで歩いていき、「おなかが痛いのでトイレに行ってきます」と伝えた。給食は安全だと考えていた担任は発症を疑わず、「はい」と答えて1人で行かせた。
児童はこのときすでに、のど…
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