【そもそも解説】エムポックス(サル痘)、なぜ再び緊急事態宣言?

有料記事そもそも解説

足立菜摘
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 ウイルスによる感染症「エムポックス(サル痘)」がアフリカで急拡大し、世界保健機関(WHO)は8月14日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しました。エムポックスに対する緊急事態宣言は、2022年7月~23年5月にも発出されていました。ただ、今回はウイルスの系統や感染した人の層が前回と異なっています。現時点で分かっていることをまとめました。新たな情報が明らかになるのに合わせ、随時更新します。

 Q エムポックスとは?

 A エムポックスはかつてサル痘と呼ばれ、1970年に現在のコンゴ民主共和国で初めて感染者が見つかった。以来、同国を中心に、アフリカ大陸の中央から西の地域で流行してきた。元々の感染源はげっ歯類などの野生動物とされる。

 原因となるエムポックスウイルスに感染すると、5~21日の潜伏期間の後、発疹や発熱、倦怠(けんたい)感やリンパ節の腫れなどが現れる。

 2~4週間ほどで自然に治ることが多いが、重症化することがある。新生児、子供、妊婦、エイズなど疾患による免疫不全の人は、重症化や死亡のリスクが高くなる。

 エムポックスウイルスは大きく二つの系統に分けられる。コンゴ民主共和国などの中央アフリカで確認されているⅠ系統と、西アフリカで確認されているⅡ系統だ。

 Ⅰ系統はⅡ系統より重症化しやすいとされ、過去の流行では罹患(りかん)した人の最大10%が死亡した。

原因ウイルスには二つの系統

 Q これまでの経緯は?

 A アフリカ以外の地域では…

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