第16回助言会社の「ノー」恐れる経営者 「脅威」は増すのか減じるのか
役員選任などの議案に賛成すべきかどうか投資家にアドバイスする「議決権行使助言会社」が影響力を強めている。経営者は「市場を支配している」としてその力を恐れる。ただ、助言会社は「そこまでのパワーはない」と反論する。実態はどうなのか。そして両者のあるべき関係とは。コーポレートガバナンス(企業統治)に詳しい一橋大学の円谷(つむらや)昭一教授に聞いた。
――「賛否を決める基準が形式的」「対話を求めても応じてくれない」など、企業の助言会社に対する不満が止まりません。
「助言会社の画一的な基準に、年金基金や運用会社といった機関投資家が従って反対票が集まった場合、社長が選任されない可能性があります。議決権の怖さ、票が集まったときの怖さに対する懸念はよく分かります」
「ただ、助言会社を悪者にするのは違和感があります。助言会社は投資家の声を聞き、自社の基準を作っています。あくまで市場の求めることを代弁しているに過ぎない。また、営利企業なので、無限に人を置いて企業の声を聞くのは不可能です。声をくみ取ってもらうには、総会の時期を分散することなども議論する必要があります」
脅威論は本当か 鍵を握るのは投資家の「独り立ち」
――投資していない助言会社が会社の命運を握るのはおかしい、という声もあります。
「例えば、選挙で我々がどの…
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