第1回「黒船」の一団は敵か味方か 物言う株主が取締役、未来託す企業たち
編集委員・堀篭俊材 杉山歩
株主が日本企業に及ぼす力が強まっている。企業と敵対することもあるアクティビスト(物言う株主)を、取締役として招き入れる企業も現れた。社会や環境との調和が求められる、新時代の資本主義。株主の影響を強めるガバナンス(企業統治)のあり方は、企業の価値を高めることにつながるのだろうか。
富士通で役員人事を決める指名委員会のトップを務める阿部敦・取締役会議長(70)が、次の社外取締役の候補者に声をかけたのは1年ほど前のことだ。
「ボード(取締役会)に資本市場の生の声を入れたい」(阿部氏)と富士通は2020年から、株主である投資家を社外取締役に招いている。初代の「投資家代表」の社外取締役が退任することになり、次を探していた。
白羽の矢が立ったのは富士通…
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