第17回「モヤモヤは言い合おう」 サステナを企業価値に、化学大手の変身

有料記事資本主義NEXT 価値ある企業とは

聞き手・加藤裕則
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 環境や人権に配慮したり、従業員の働く意欲を高めたり。化学大手レゾナック・ホールディングス(旧昭和電工)は、サステイナビリティー(持続可能性)を「経営の根幹に据える」という。そうした取り組みを企業価値にどうつなげていくのか、高橋秀仁社長(61)に聞いた。

 ――社員が日ごろ抱えている不満や意見を出し合う「モヤモヤ会議」を催しています。2023年に34回やったと聞きました。高橋さんも必ず出ているそうですね。

 「『モヤモヤ』していることは、言っていいのです。組織の中で自由にモノを言える心理的安全性を大事にしたいと考えています。私が社長室で『会社を変える』と言って会社が変わるものではありません」

 ――本社や支社の社員の服装を自由にしました。

 「2022年に1月に社長に就き、リモートで新年のあいさつをしました。『今年からうちの会社は完全カジュアルです』と社員に向けて話しました。『ジーンズ、オーケーです』とも言いました。のけぞった人もいたようです」

経営者がコントロールできるのは、決算ではなく株価

 ――その狙いは。

 「昭和電工は古くさい会社で、ぜんぶ変えたいと思いました。形から入ることは大事なことです。男性であればスーツがほとんどでしたが、少しずつカジュアルな服装が増え、3月になると半々ぐらいで、夏になるとカジュアルが『常識』になりました」

 「社内での敬称の使い方も変…

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