第2回ESG投資は「意識高い系」? 米で悪用横行、不信広がり政争の具に

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ニューヨーク=真海喬生
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 社会や環境と調和する資本主義に向かう「エンジン」役を期待されてきたESG(環境・社会・ガバナンス)投資が、試練の時を迎えた。米国では金融機関や企業幹部によるESGの悪用が横行。不信が強まって政争の具となり、投資額が減少に転じている。企業価値に新たな視点をもたらしたESGは、この逆風に耐えられるのか。

 昨年11月中旬、米アイオワ州デモインで催された保守系団体の集会。

 「気候変動対策は民間企業ではなく、政府がやるべきこと。ESG投資では満足なリターンなど実現できない。なのに、高いリターンがあるかのような説明をするのは誠実ではない」

 米大統領選に名乗りを上げる…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年1月5日16時2分 投稿
    【解説】

    ESG投資は共和党から見れば、エリートやエスタブリッシュメントが自分たちの利益を得るため(すなわち、投資家の利益を食い物にするため)のもの、という認識がある。これはこれで無茶な理屈だと思うが、財務的な価値以外のところに企業価値を見出そうとす

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