第84回抗戦か停戦か、揺れるウクライナ市民 侵攻100日「全てが消える」

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キーウ=高野裕介 リビウ=飯島健太
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 ロシアがウクライナに侵攻してから3日で100日を迎えた。欧米の支援も受け、ウクライナは圧倒的な戦力を持つロシアの攻撃に耐えるが、戦況は膠着(こうちゃく)状態で戦争の長期化は避けられない。欧米メディアではウクライナの譲歩で停戦をはかるしかないとの見方も出るなか、国内の世論調査では8割以上がロシアへの妥協を拒否した。だが、犠牲者が増え続ける現状に、一人ひとりの思いは複雑だ。

「世界に忘れられないことが大切」

 首都キーウ(キエフ)では、ロシア軍が周辺地域から撤退し、4月2日にキーウ州全域の解放が宣言された。それ以降、徐々に住民が戻り始めている。

 飲食店も営業を始めるところが増え、テラス席で食事を楽しむ市民の姿も見られるようになった。

 通訳業のアンナ・ボルコワさん(46)も、避難先の隣国モルドバから6歳の娘、義母とともに、5月7日にキーウに戻ってきた。

 2月24日にロシア軍の侵攻が始まると、どう行動していいのか、わからなかった。

 夫に促されて2日後にキーウ…

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この記事を書いた人
高野裕介
国際報道部次長|欧州、中東
専門・関心分野
中東、紛争、外交、国際政治
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