桜之本丸

山城国のとある本丸。ここで起きる日常と戦いの日々を記録します。

2022年09月01日

八年目之章 阿蘇蛍の帰還


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阿蘇蛍「じゃーん、真打登場ってね。今度も強いよ」

審神者「おかえりなさい、阿蘇蛍」

阿蘇蛍「うん。 たっだいまー。
これで俺も晴れて極の仲間入りってね。
もう鯰尾にだって負けないよ?」

鯰尾「ははっ。 それはどうかな?」

阿蘇蛍「むむっ。 なんなら今ここで勝負するー?」

骨喰「まだ帰って来たばかりだろう。
レベルを上げてからにしろ。 そしたら簡単に勝てるさ」

鯰尾「おい、こら、兄弟! お前、どっちの味方だよ!?」

審神者「大太刀は数も少ないし、阿蘇のことも今後も頼らせてもらうね」

阿蘇蛍「頼って頼って―。
遠征でも出陣でもどんと来いだ!」

骨喰「期待しているぞ、阿蘇蛍」

阿蘇蛍「任せてよ。
そんじゃ俺はみんなにもこの姿見せてただいまの挨拶してくるねー」







2022年09月02日

八年目之章 抜丸鍛刀ターニングポイント


ターニングポイント




審神者「どうしよう……。
奪還作戦で資源回収できるし、団子の里もあるし初めての十連鍛刀だから試しに顕現ポイント5000貯めてみようと思ったけどめちゃキツいこれ……。
御札の手持ち100枚以上、資源ほぼカンスト状態からはじめてこのキツさって……。
おまけに今奪還作戦で資源回復しつつやってるんだよ?
この状態でこれなら次回以降から顕現ポイントは存在しないものと思って完全無視した方がいいわね……」

骨喰「そうだな。
必要資源数の少ない短刀あたりが対象だったらまた違うのかもしれないが……。
今後は余裕のある状態でもこれはやらない方がいい」

鯰尾「んで。 今後はそうするとして、ここまでやったこれはどーすんの?」

審神者「どーしましょーか……」

骨喰「暫く資源を回収できるとはいえ、50万を下回ったらさすがに間に合わない」

鯰尾「ここで撤退するのも手だね。
今退けば団子までの流れで回復できるはず。
依頼札もこれぐらいなら治金丸の時から回復できた枚数だし……。
ここで撤退するかしないかで今後の本丸運営がだいぶ変わるよ」

骨喰「顕現ポイントも道具と交換できると言うから無駄にはならない。
主殿、英断を頼む」

審神者「……限定鍛刀っていつまでだっけ?」

鯰尾「4日じゃなかった?」

審神者「治金丸の限定鍛刀あんなに長かったのに、なんで抜丸はこんなに短いんだよっ!?」




十連しろ




鯰尾「ってことなんじゃない?」

審神者「おのれこんのすけめ……。
普通の鍛刀でちみちみ貯めよう作戦は駄目か……」

骨喰「資源を大きく失うか、札を大量消費するか……。 どちらにしろ痛いな」

審神者「うーん……約1500かぁ……。
とりま、単発でちょいちょいやっていい?
それで4日までに顕現ポイントがどれくらいで、資源の残数がどうなってるかで最終調整するかしないか決める」

鯰尾「んー……単発なら大丈夫かな?
受取箱にまだ40枚ぐらい手伝い札も入ってるし、そこの消費は問題ない」

骨喰「駄目そうな時は無理をせずに撤退するなら、俺もそれで構わない」

審神者「なら決まり」

鯰尾「遠征はどうする?
今の小判遠征だと砥石に偏るけど、依頼札遠征に切り替える?
丁度いち兄が絶好調だし」

審神者「んー……。
資源のことだけを考えたらそうしたいけど、小判遠征の手は緩めたくない……ってか緩められないんだよっ!!」

骨喰「……このまま鍛刀を続ければ砥石も減る。
それでも余力を残せれば団子の里で集める負担を減らせるから、このまま小判遠征でもいいだろう」

審神者「おーけー。 このまま小判遠征を続行する」

鯰尾「大体の方針は決まったね。
じゃ、鍛刀指示だけして今日はもう休もうか」

審神者「松ちゃん、十連鍛刀は中止よ。 zipに圧縮して」

松たち:はてはて?(zipってなんだ?)

松たち:ぴょんぴょん(とりあえず圧縮しよう!)




式神





松:ふー!(圧縮したぞ!)

審神者「はい、じゃあこれ。 オール700でよろしくね」

骨喰「竹と梅も頼む。 富士はそのまま続けてくれ」

鯰尾「主、きょーだいっ。 手ぇ繋いで戻ろっ」

審神者「こんな時間とはいえ誰かに見られたらどうするの……」

鯰尾「へーき、へーき。
「主命でやらされてる」って言えば大丈夫さ」

審神者「私がだいじょばないんですけど、それ」

骨喰「くす。 心配しなくても、皆のあんたへの認識は既にそんな感じだ」







2022年09月02日

考察:堀川くんと和泉守のこと


集合体とか朝尊の事とかその辺の事、を考えようとしたけど話が逸れまくって堀川くんと和泉守(とちょっぴり蜻蛉切)の話になりました。

和泉守は自分が集合体なのは当然だ、もちろん知ってるだろ?ぐらいの勢いでそうだと手紙で語ったが、いや知らんがな。
ずっと土方歳三が使ってた和泉守兼定だと思ってたわ。
確かに刀帳で「十一代目か十二代目が打った刀だけどな」とは言ってたけど、まさかそっちが主語だったとは思ってなかったよ。
でも、言われてみれば「オレは土方歳三が使っていたことで有名な、和泉守兼定だ」。
「有名な」で「、」区切ってるってことはどう聞いたって「土方歳三が使っていたことで有名な、和泉守兼定というブランドだ」だよなぁ……。
そもそも彼は一言も「オレは土方歳三が使っていた和泉守兼定だ」とは言ってない。
なんで当時の私はこれを誤読したんだ?馬鹿なのか?

そうだ、当時の私は馬鹿だった。

同じ名前の刀が沢山あるとか、刀の名前のルールとか作った人の名前だとか名前が沢山あるだとか、同一の人が作った複数の刀の定義とか……。
和泉守が本丸に来たばかりの頃ってその変の知識がまだまだ全然あやふやな頃で、多分そのせいで誤読したんだ。
あと最初に来たのが堀川くんで「和泉守兼定と一緒に土方歳三が使っていた脇差しさ」を先に聞いちゃったから「和泉守兼定=土方歳三の刀」って決定事項レベルの先入観があって、それをそのまま和泉守に当てはめていたせいでちゃんと説明してくれていた彼の言葉をスルーしちゃっていたんだ。
うわぁ……こうして考えると、私、和泉守にすごく失礼で申し訳ないことしてた……あとで謝りに行こう……。

まあ、それはそれとして一旦横に置いといて。


じゃあつまり、号がない子ってみんな集合体なの?
……って考えると堀川くんが変なんだ。
彼は「堀川国広」だけど「和泉守兼定と一緒に、土方歳三が使っていた脇差しさ」と和泉守と違ってはっきり自分がそれだと明言している。

因みに随分昔も言ったけど随分昔のことなのでもう一度言うと、最初の「僕?」って言うのがはきはきしていてしっかりしている堀川くんらしくない。
すごく言いたくなさそうな……自分のことをどう説明しようか困惑しているような声音で「僕?」と言っている。
「僕は」「自分は」「俺は」「私は」「俺の名前は大包平」と、普通に自己紹介してくれる子がほとんどの中で、唯一堀川くんだけ「僕?」と自分自身に疑問を抱いているんです(因みに似たような子で蜻蛉切という子がいます、彼は「……」の後に自己紹介をはじめるのですが、この「……」という間は「村正作の槍」を言う為の間だったのではないかと考えています。蜻蛉切の場合「自分は蜻蛉切」でも自己紹介として十分なんです。なのにわざわざ「……自分は村正作の槍、蜻蛉切」と言っています。蜻蛉切は「村正は悪いやつではない」とよく訴えます、同じ村正作なのに刀の彼は妖刀だと言われ槍の自分は讃えられる、この事に思うところがあって「……」という間で逡巡し、自分も村正であると名乗ることで主の村正への認識を少しでも改善しよう、村正はアレだから自分が少しでも村正への誤解を解かなくては……みたいな自身の心を咀嚼する間が「……」だったのだと思います。以下、堀川くんの話に戻ります)。
これは彼が後述してくれているように「僕が本物の国広かどうかは意見が別れるところだけど」という思いが“刀帳に記述される自己紹介”という正式な記録の場で「僕は堀川国広」と彼に言わせなかった。
「僕は堀川国広」と言ったら嘘になる……いえ、嘘か本当かもわからない。
みんなのように胸を張って「僕は堀川国広」だとも言えないし、長曽祢のように「贋作だけど堀川国広と呼ばれているよ」とも言えない。
真作だろうが、贋作だろうが、自己をどう紹介するのが『正しい』か、わからない。
堀川くんが誠実でしっかりした子だからこそ、自己紹介ができない。
だけど自己紹介をするべきなのは誠実でしっかり者な堀川くんはわかっていて、主の求めにも応えて答えたい。
だからこそ「僕?」と戸惑いながらもしっかりと精一杯誠実に『正しい自己紹介』をしてくれたのがあの内容。
私、堀川くんのこの気持ちがすごく好きなんです。
適当なことを言わないで、だけど黙り込むことはせず、自分でも思い悩んで葛藤して苦しんでいる事だろうに、それでも精一杯に誠実な回答をしてくれた、これ以上に堀川国広がどういう心を持った存在なのか如実に物語っている資料はないと思います。
だけどここを存在しないかのように蔑ろにしている人があまりにも多くて、個人的にはちょっと悲しい……。
いざこざなんてない方がいい、辛い思いなんて抱えない方がいい、ご尤もです。
ですが、苦しみを見ずに救える苦しみなんてないと思います。
存在させないことは苦しんでいる本人を救ったことにはならない。
寧ろ、苦しんでいる本人の心と存在そのものを苦しみごと全て否定して消し去る蛮行じゃないでしょうか。
それをするのは私たちの敵である、時間遡行軍と同じですよ。
私はこれを、堀川くんにとって蔑ろにしてはいけない彼の大事な心だと思うんです。
だけれどもその上で、他の本丸で山姥切国広や山伏と普通に仲良くしてきた堀川くんの存在を傷つけるつもりはないし、そんな堀川くんも彼をそう解釈した審神者の元で存在しているのだとその存在を認めます。
決してその堀川くんの存在を否定はしないし、今すぐに全て訂正しろ、間違っているから消えてほしいとも思わない。
ただ堀川国広のことが本当に好きな人や、彼を理解したいと思っている審神者さんでこれに気づいてなかった人は今一度刀帳を開いて極前の彼の言葉を聴いてほしい。
聴いた後に何を感じてどう判断するかは審神者の仕事です。
だから私が伝えたいのはただ一言、彼らの言葉を聞くのではなく言葉に宿っている心を聴いてほしい。
お茶のペットボトルの中身が水だったら、それを「お茶」だとは言わないでしょう?
言葉もそれと同じ。
大事なのは言葉ではなく、言葉の中身。
言葉はあくまで中身を読み取る為の情報の一つでしかない。
それは水が入っているからお茶という表記は無意味だと切り捨てるのではなく、ましてやお茶という表記を見て中身がお茶だと判断するものでもない。
お茶というボトルに水が入っているのなら、水の前にお茶が入っていて何かの理由でお茶が無くなり、代わりに入ったものが水だった可能性がある。
もしくは最初からお茶なんか入っていなくて、それでもお茶と表記したボトルの中に入っていたい水の意思、あるいは誰かによって誤ってその中へ入れられてしまった可能性……。
他にもお茶というボトルに水が入っているという状況から、様々な想定ができ、これを思考し把握することで「お茶のボトルに入った水」への理解と認識が「水」「お茶」と捉えるより断然深まるのがおわかり頂けますか?
言葉と心と存在とは、要するにこういう事です。
言葉から心を捉え、心から言葉を読み取らなければ人間は他者の存在を把握することすらできません。
食べ物不足とかお金とかそういう物質的問題を除き、人間の揉め事や悲しい出来事の大体の根本原因は人類ほぼ全てにこのコミュニケーション能力が絶望的に不足していることにあると私は考えています。
仮に相手の全てを理解してわかったとしても、全ての問題を解決できる訳じゃない。
だけど理解も把握もしていない物事は解決しようと思考することさえできない。
普段笑って明るい人ほど辛くて苦労しているという話はよく聞きますが、皆さんはこれを健気ですごくて素敵な言葉だと思いますか?
私はこんな言葉が蔓延って、そういう人達がやほやされる世の中がヤバいと感じますよ。
そういう人達がヤバいんじゃない、これを「すごいこと」「立派なこと」と考えてそこで思考停止する世間がヤバいんです。
ほとんどの人はその人が限界を迎えるまで全然それに気付かない。
おかしいでしょう? コミュニケーションが成立していないでしょう?
だって辛くて苦しいのを明るく誤魔化してその人は他人と一緒にいながら内面は常に孤立しているんですよ?
これに気付かずして、気付こうとする努力無くして何がコミュニケーションですか、何が人との関わりですか。
こんなの人と一緒にいても独りじゃないですか。
そして人間なんてそれを良しとして、この状況のヤバさにも気づかずに笑顔で明るく頑張りながら孤立している人を褒め称えるだけで思考停止のお間抜けな連中ばかりじゃないですか。
いやいやそこはそういう人の存在に気付いて手を差し伸べる手段を思考するべきところでしょ、そういう姿勢を褒め称えてそれを良しとするなら尚更に!
ちゃんと言ってくれなきゃ気づきません、だけど言ったら弱音を吐いたあなたを責めながら辛くても笑顔で頑張る他の誰かを褒め称えますって……。
そりゃあ見知らぬ誰かが辛くても笑顔で頑張る人を肯定していたら、自分が肯定された気がして頑張れるかもしれません。
でもそれってその人が辛いことの原因に対して何も手を差し伸べていないし、理解してもいない、考えていないし、他人事。
元気になった人はそれでますます心が孤立するように頑張るし……それって本当に良い事なんでしょうか?
コスパが非常によくて誰でもできる簡単な方法なのはわかりますけどね。
……だけどこれって、本当の意味で救われる人、いますか?
笑顔で明るく頑張る人に両手で惜しみなく拍手する人が増えるより、拍手するその手を差し伸べて痛みに気づいて惜しみなく寄り添える人が増える方が、私は救われる人が増えると感じます。
しかしながら善良な一般市民の皆様は観客席から物見遊山気分で「なんてすごい人なんだ」「こういう人とても好き」「私も頑張ろう」「誰かに相談すればいいのに……」「辛いって言っていいんだよ……!」というような「私は決して第三者としてこの問題の根本と向き合わない」という鋼の意志を歓声に込めつつ、着席したままお行儀よくパチパチと手を叩く方がお好きなようですが……。

……っと、だいぶ話が逸れましたが戻します。

堀川くんは「堀川国広」の集合体ではなく、明確に「土方歳三の堀川国広」。
今考えるとあれか……「国広?あいつオレの助手とか言ってな……まあ、助かってはいるんだが……」あの和泉守の温度差。
当初からあれにものすごい違和感を感じていたけど、あれって和泉守が集合体で堀川くんが相棒って認識が薄かったから土方歳三の堀川くんと温度差があったのか……。
そう考えると今更ながら色々納得。
それでも極前でも和泉守が函館で泣いていたのは手紙に綴ったのと同じ気持ちだったんでしょうね……。
いや、もしかしたらあの時の和泉守は土方歳三の死で「刀の時代の終わり」を泣いていたのかも、勿論土方歳三の和泉守兼定も彼の中に含まれているからそれに涙する気持ちもあったのだろうけど。
こうして色々一から考え直していくとやっぱり大きかったのはそっちなのかもな……。
和泉守が言う「最先端」とか「流行りの」とか「格好良く」とか、私には明るい言葉に暗い心を秘めて、それでも“格好良く”言っているように聞こえる。
最先端=もう後(これより先)がない、流行り=廃れて過ぎ去りいつかは「ダサい」と呼ばれる定めにある、格好良く=刀としてのせめてもの見栄と意地。
和泉守って私には格好良く散る為に日々を格好良く生きるように心掛けているように見える。
本音を言うと「なんでここで終わっちまうんだよ……」「もっと続いてくれよ、刀の時代!」「こんなのは嫌だ……!」って駄々を捏ねるように泣き喚きたい。
それこそ武士の時代の終わりを想う土方歳三みたいな嘆きとか悲しみとか悔しさとか怒りとかやるせなさがあって、だけどその気持ちを表面に出して涙を零しうじうじと嘆き悲しんだり、悔しくてどうにもならない怒りを露わにしたり、絶望して茫然自失するような、誇り高い刀の魂を汚す幼稚で“格好悪い”真似はできない。
せめて“格好良く”、最後に“流行った”刀として、“最先端”で終わりを見届けよう……。
彼ってこれぐらい悲壮な思いを抱えながら、格好良く生きているのだと思います。
燭台切や太鼓鐘もそうですけど、「格好良さ」に拘る子ってその言葉の中に結構悲痛な思いを抱えていますよ。
審神者の皆様はキャラ付けの一つや決め台詞の一つ拘りの一つぐらいの感覚で聞いたり創作物に取り入れたりしている場合が多いでしょうが、刀剣男士の思いって重いですよ、冗談ではなく。
彼らの思いを、一度に全員は難しくても、せめて好きと自称している子の心が言葉に宿した思いぐらいはちゃんと何度も思考で咀嚼し飲み込んで重く受け留めているでしょうか?
刀剣男士に対しても、人間に対しても。
何度も何度も繰り返し、それをし続けるのが大事だと思うのです。

……やばい、どうしよう話が戻ってない。
一旦仕切り直すか。
ちょっとこれ眠れなくて徹夜明けで書いてるのですが……どうしよう、清書する?
いや、私の考察なんて思考をそのまま書いてるだけなんだから清書とか慣れないことはしない方がいい。
さっき集合体について曖昧に考えていて微かにちょこっと浮かんだ朝尊のことまで話が進まなかったけど……。
うん、大丈夫、多分消えない、多分残ってる、大丈夫。
でも未来の私が忘れた時の為に曖昧像のヒントだけ残しておこう。
和泉守は集合体。
朝尊は自身を刀工由来だと言っていたけど、陸奥守曰く……いや陸奥守の曰くがなくてもどう見ても前の主の影響が強い。
刀工由来ということは集合体のはず。
だけど陸奥守が指摘するほどに前の主の影響が強い……。
和泉守は土方歳三らしさがあるけど、あれは最後の侍と最後の刀みたいな関係上、土方歳三以外が持っていた和泉守兼定もびっくりするぐらい武士の時代の終わりに刀を持って戦った人と同じ心情になった。
でも、朝尊って……多分そういうの無いはずだから、和泉守のあれとは違うはず。
って事はその辺の摩訶不思議さに何かしらの彼を形作っている理由があるはず。
少なくとも刀剣男士の中に核に理由がない子なんていない。
いや、まあ、鳴狐は特殊だけどね。
でも、あれはあれで理由あるし。
ってことは、やっぱりこの和泉守との違いをもっと深掘りして他の子とも比較していけば何かしらわかるんじゃない?
あと、そうだ、陸奥守のことをもう一度考え直してみよう。
彼も他に陸奥守吉行の刀があるはず、陸奥守も集合体なのかそれとも坂本龍馬の単一個体なのか。
念のためここをもう一度見直して、あと極前だから情報少ないけど朝尊と縁のある肥前あたりも加味して、それでもわからなければ他の集合体疑惑のある刀一振り一振り調べて前の主に影響されている子の影響のされ方とか細かく確認してその理由とかから朝尊の理由を探れば、朝尊のこともわかるかもしれないし、刀の軸と主の影響の差とか違いとか絡まっている部分とか、ふわっとしている集合体についてももっとわかるんじゃないかなと思ってこれを書き始めたんだよ、未来の私。
ってことで、あとはそっちでなんとかしてくれ。

あぁ……鯰尾と骨喰がかっこうよくてかわいい……。







2022年09月03日

二徹


深夜2時


骨喰「…………」

審神者「……ぁ、どうしたの、骨喰。 まだ夜よ」

骨喰「いるはずのやつがいるはずの所にいないから目が覚めてしまったのかもしれない。
………また、眠れないのか?」

審神者「…………」

骨喰「2日連続で徹夜は駄目だ」

審神者「と言われましても……」

骨喰「眠れなくてもせめて布団に入っていろ。
横になっていれば眠れるかもしれない」

審神者「……………」

骨喰「……嫌か?」

審神者「黙って横になってると嫌なことばかりどんどん考えちゃうの」

骨喰「それなら俺が話し相手になってやる」

審神者「いいよ、そんな。 ……悪いし」

骨喰「どの道、そんな部屋の片隅にいられたら気になって眠れない」

審神者「じゃあお散歩してくる」

骨喰「なら俺も行く」

審神者「鯰尾をひとりにさせる気?」

骨喰「ここであんたをひとりで行かせる方が後で兄弟に怒られる。
なんならこいつも起こすか?」

審神者「やめて。 鯰ちゃんの安眠を妨害しないで」

(鯰-ω-)すぴー……zzZ

骨喰「それなら大人しく横になるか俺も連れて行くか好きな方を選べ」

審神者「選択肢があるのに選択肢がない件について」

骨喰「俺では不満か? 兄弟の方がいい?」

審神者「そんな事はまったくないけど。
……………………これでいいですか?」

骨喰「ああ、良い子だ」

審神者「馬扱い……」

骨喰「あんたも馬も俺も、撫でられると喜ぶ」

審神者「うん。 撫でられる度に温かくてやさしいのが体に練り込まれて、悪いものをサッサって払ってもらってるみたいに感じる。
きゅぅー……骨喰……あ、ごめん。 くっついたら暑いよね」

骨喰「くっついてほしい。 触れてもらっている方が俺も落ち着く」

審神者「なら、遠慮なく」

骨喰「……悪い事って何を考えていたんだ?」

審神者「ん? んー……色々」

骨喰「色々って?」

審神者「色々は色々。
私って根が性格悪いし、なんかもう色々絶望的だなって」

骨喰「確かにあんたは口も悪いし性格も悪いが、根は良いやつだぞ」

審神者「それは違うよ。
例えば……他人の言動で耐え難い事ってあるじゃない。
好きな相手を悪く言われたとか、同じ愚痴を延々と聞かされ続けて苦痛だとか、自分にとってすごく許せない事を相手が何食わぬ顔でしたとか。
私ね、そういうの全部事情があるんだと思うの。
それこそ本人でも無自覚なレベルでトラウマになっている何らかの出来事が原因でそれをやらざるを得ないような心理状態になってる。
そういう人をね、私は助けるべきだと思うし、助けられないにしても相手は悪い人じゃないってどんな人が相手でも私はそう信じたい」

骨喰「それのどこが性悪なんだ?
悪いどころか、そこまで考えられる善人は中々いない」

審神者「私は善人なんかじゃないよ。
物事をなるべく正しく誰かの心を取り零さずに把握したいだけ。
悪く見える人っていうのは悪い一面が見えてしまっているだけで悪い人じゃない。
悪い一面だってその人が善いと判断したことでそこにはその人の正しさが必ずある。
ただ私の目から見たら悪いことに見えてしまうだけで……。
そういう時に、相手はどういう視点でそれを善い事と見ているのか知りたいし、そんな相手の善を自分と相容れなくても認めたい。
その善があまりにも、本当にどうしようもなく身勝手なものだったらその人の過去まで考えて、それを善と捉えるようになった経緯を知りたい。
そういう人って大概何かしらの傷を抱えているはずだから……。
ちゃんと相手を「身勝手で我儘な悪いやつ」じゃなくて、目の前の人の本当の正しい姿とそこにある心を理解したい」

骨喰「……それがあんたにとっては悪い事なのか?」

審神者「いや。 これは善い事だよ。 問題はその後……。
私はここまでわかっているのに。
考えて、相手の傷や正しさを理解できる事も多いのに……。
……そこまで考えてわかって理解して尚、感情が追いつかない事がある」

骨喰「…………」

審神者「相手の痛みや正しさがわかれば、根っからの善人だったら苛立ちやもやもやした感情なんて感じずにやさしくできるじゃない。
私はそれができないの。
根が、性格悪いから……」

骨喰「それは……」

審神者「昔の話だけど、私の話を途中で自分の話に必ず転換されたりとか。
前日も聞かされたもう何十回も聞いてる自慢話やら苦労話やらをものすごい頻度でされて、しかも「感想は?」「反応は?」「何かご意見をどうぞ!」って「もう何度も聞いたし答えたからもう何もないよ」と言ってもそれでも「そう言わずに何か一言!」って何か答えるまで絶対解放してもらえなかったりとか。
私が見た夢の話は興味ないって反応をして怖い夢見た時もスルーするのに、あっちは夢の内容を詳細に聞かせてきて怖い夢の時なんてものすごい暗い表情と声で詳細を語って「まだ怖いよ……」って反応をして、試しに向こうにされたのと同じ反応で返してみたら「そうだよね……私のことなんて興味ないよね……」ってカッターとか握り始めるの、何もない時は自分の髪の毛ぶちぶちって無言で抜き始める」

骨喰「とんでもないやつだな……」

審神者「うん。 だけどその子がそこまで追い詰められている事情は、全部じゃないにしても色々わかってたから、あの子のあれらの行動は悪い事だけど、あの子がただ悪い訳じゃないのもわかってた。
だから、ちょっとでもどうにかしたくて色々助言はしたんだけど、ブラック企業でブラックなのが正しい事だって根性を刷り込まれていた上に当時の私は専門に通う前でバイトもはじめる前で何もしてなかったから「働いてないからそう言えるんだ」って言われたら言い返せない事はないけど圧倒的に私が不利だし、何より相手は私の言葉じゃなくて働いていない私の言葉として全ての言葉を受け取って解釈するから「働いていない人の言葉は聞くに値しない」という彼女の前提を崩せない限り、私の気持ちはちゃんと伝わらない。
現に私が……いなくなってから伝わったみたいだし。
それでも当時の私はあまりにも過酷な境遇にいた彼女を見捨てたくもなかったし、諦めたくもなかったし、多少私に当たることや我儘や無理難題を出されても可能な限りなんとかしようとして、なんとかしてた。
でも、結局、さっきも言ったように、私の言葉と気持ちが伝わったのは私がいなくなった後……死んでほしいと言われて、いや、私を殺してほしいと言われて……?
まあ、どちらも同じ意味なのですが……私がいなくなって私の何もかもがなくなった後に、「親身になってくれていたことに気づいた」と手紙が一通届いた」

骨喰「……………」

審神者「私は私のしたことに後悔はないけどね。
当時からだけど、私はずっとあの子のことを本気で心配して親身になって言葉を信じながら疑ってる。
ただ私を利用したい、都合よく動いてくれる都合の良い人、私は遊び道具でご主人さまは自分だから叩こうが投げつけようが自分の玩具は好きにしていい。
そんな気持ちが一緒にいた当時からずっと彼女に見え隠れしていて、本気で苛ついていたしムカついていたしこっちはいつも加減しながら我慢しているのに一方的に色んな感情を全力投球でぶつけられるし……。
あの子に悪い所はあったけど、あの子自身は悪くないってわかっていたのにね。
私に色々高圧的だったのだって、家族の中で自分がそうされていたからで、心に致命傷を与えるほどに反撃はしない自分より弱い外部の存在である私に家族が自分にしているのと同じことをして精神的になんとかそれで保っていたんだよ、自分は一番下じゃないから大丈夫、こっち側になれるから大丈夫って日頃のストレス発散も兼ねて、私に対して優越感を感じられる時だけあの子は精神的に落ち着けた。
正解じゃないのはわかっていたけど、当時の私があの子の心に少しでも平常心を与える為にできた最善はそれで、どんなに言葉を重ねても「この状況のままでいるしかない、これが最善だ」みたいな感じで、あの子は現状維持に頑なで……。
あの子がそれを望むなら今はそれを支えるしかないと思った。
支えながら、環境の変化に繋がる足がかりを探してた。
………なのにね。 なのにね?
全部理解して納得して、あの子の悪さがあの子の悪さじゃないのもわかって、自分でもそうしたい、あの子のこと本気で助けたいって思いながら、私は本気で本当に多分今でも、彼女から言われたりされたりした様々な言動に苛々してるの。
彼女だけじゃない。 今まで接してきた、色んな人達に対して。
思い出すと今でも苛々してムカついて憎くて嫌いで仕方ない。
わかってるんだ。 誰も悪くないって。
本当に悪い人なんてこの世にほとんどいないんだって。
正義も悪も辛い事と悲しい事と苦しい事と……自分の人生を生きてきた上で経験したそれらが根本にあってみんな正義と悪を主張している。
自分が思う正しいことも悪いことも、みんなそれが自分の今までの人生で培われた人生そのものだから譲れない。
だから他人を傷つけるほどに強くそれらを主張する。
自分の主張が負けてしまったら、それは自分の人生が否定されるのと同じだから。
だから私は尊重したいの。
理解できなくても否定したくないし、傷つけたくないの、誰かの人生を。
なのにムカつくの、大嫌いなの、苦しくて辛くて悲しくて憎くて……そんなの感じる必要ないのに、感じたくないのに……。
ここまでわかって理解して、他人に醜い憎悪を抱く自分が許せない。
私って……なんでこんなに性格が悪いの?
なんで理解して尚、温かでやさしい感情を抱けられないの?
なんで“私”ってこんなに救いようがないの?
なんで、どうして……“私”はこんなに根っからの悪い人間なんだろう……。
やさしくてどんな相手にも負の感情を向けず相手を理解できる包容力のある子だったなら……。
………………骨喰」

骨喰「なんだ?」

審神者「“私”が“私”であると思うと死にたくなる。
だって“私”は死ぬまで“私”だから。
こうして考えていると、私だけが唯一この世界で悪いもののような気がしてくる。
私がいなくなれば悪いものがなくなって、世界は善くなる」





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2022年09月03日

考察:その肉体は心


前回の続き。


「わしは陸奥守吉行じゃ。
そうそう、坂本龍馬の佩刀として知られちゅうね。
土佐じゃー名刀として評判やったけど、龍馬の時代じゃ、もう刀は時代遅れじゃった。
けんど、それが世界というもんぜよ」

この自己紹介は和泉守と同じ傾向。
名乗ったのは自分の名前だけ。
「坂本龍馬の佩刀として知られちゅうね」、自分が坂本龍馬が使っていた陸奥守吉行だと明言はしていない。

「おれは肥前忠広。
大業物として名高いが、元の主のせいですっかり人斬りの刀だよ。
折れても使い続けたってのは、物持ちが良かったんだか貧乏性だったんだか……」

肥前は結構微妙。
以蔵さんを「元の主」と呼んでるけど、それは集合体だって言える事だと思うし……。
ただ割りとボロボロな肥前の見た目や首の傷から岡田以蔵の肥前忠広を連想するから、どうだろう。

傷といえば陸奥守にも傷がある。
あとあれは真剣必殺だからまた別かもしれないけど、歌仙とか和泉守も。
前の主に由来した傷が体に浮かび上がる。
歌仙は必ず鼻先が切れて、和泉守は腹に銃創。
時間遡行軍と刀剣男士の切り合いって要は互いに“心”への攻撃で、彼らの肉体から血が流れ、生存が減るのも心の摩耗。
例えば髭切膝丸の界隈で深い溝を生んでいる、「ピザ丸」とか「肘丸」問題。
髭切は実際膝丸にそんな風に誤った名前を呼ぶ資料は“無い”、
この事実を大事にして髭切を見ている人にとって「言う」と解釈しているのは歴史改変レベルの髭切改変で、時間遡行軍からの攻撃と同等のレベルの攻撃。
そしてその解釈を認められなくてそう解釈している人を悪く言ったり否定したり、言葉で傷つける行為をする。
この戦いは刀剣男士と時間遡行軍の戦いの様子、そのままなんです。
そしてこれを相手を敵とみなし、徹底的に繰り返すとどちらかの“心が折れる”、これが刀壊。
お守りで復活できるのは、お守りを渡すと何人かが言ってくれる「主の気持ちを感じる」「心を受け取った」正にこれ。
自分の心が折れた時にお守りから“審神者の心と気持ちを感じて蘇ることができる”。
普通のお守りはぎりぎり復活できる程度の思い、極のお守りは生存が全回復する心が完全復活できるほどの思い。
昔は極のお守りって催しの報酬で貰えたり、戦力拡充で拾えることもあったかな?極は拾えなかったっけ?
だけど今ってお守りは今まで通り手に入るけど、極のお守りは万屋以外では基本的に入手できなくなりました。
つまりはそう、刀剣男士の心を癒やして生存を全回復させるほどの思いは金の力により審神者から彼らに与えることができるのです。
無課金審神者の存在も大事です、その存在に運営も刀剣男士も刀剣乱舞も支えられています。
だからこそギリギリの状態で復活できるお守りは催しとかで簡単に貰えて、極のお守りは刀剣男士を本当に想い、彼らに生きていてほしい刀剣乱舞に続いてほしい運営にも頑張ってほしいと審神者が本当に強い“思い”を実際に持たないと彼らに与えてあげられない。
課金という行為により彼らを存続させる力を自ら与えられるほどに強い力を持つ思いと励まし。
それを与えてくれる人がいるから、あまりの苦境に折れても折れずにいられる。
それらのやり取りを、肉体で物理的にやり合えるように目には見えない言葉や心や精神を可視化したのがこの戦いなんだと思う。
そして見えなかったそれが可視化されたのが刀剣男士や時間遡行軍、あと検非違使。

前置きが長くなりましたが、それを踏まえて傷の話に戻ります。

刀剣男士は可視化された思いと心。
ならば彼らの傷も可視化された心の傷。
時間遡行軍に攻撃されることで、自身の中に眠る“トラウマ”や“心の痛み”などが浮かび上がった状態が中傷状態。
人間、赤ん坊や子供の頃より大人になった方が痛みを感じやすくなるなんて事はありません。
寧ろ子供の頃に泣きわめくほどの痛みにも大人になれば耐えられるようになる事がほとんどです。
でも刀剣男士はその逆で、極になった方が極前より中傷姿が痛々しく、傷が深い状態となります。
私も最初は、「人間じゃなかった彼らが人の体に馴染んで痛みを感じやすくなたったのかな?」と思っていましたが、人の体に慣れるまでって特までのあの段階だと思うんです。
大体、立てます歩けます喋れます、物に触れた感触がわかります、食べ物の味も100%しっかり感じますって五感がちゃんと正常に機能している状態で日々毎日戦って、修行可能レベルやカンストまで過ごした彼らが“痛覚だけはずっと鈍感だった”って冷静に考えて意味不明じゃないですか。
他の感覚も痛覚同様ずっと不明瞭だったならわかるけど、私の目から見ても昔他の審神者さんの様子を見た感じも、誰も極前の彼らの五感が極になるまで永遠に覚束ない解釈ってしていないんです。
なのになんで痛覚だけ都合よくそれを適応できるの?それっておかしいんじゃないの?寧ろ痛覚って一番鋭くて誰にとっても鈍感である事が難しい感覚なんじゃないの?
と、昔から常々違和感があり「これ多分違うな……」って思って、原因をずっと考えていたんですけど、この解釈だとそこがすとんと落ちるんです。
修行で自分の軸としっかり向き合ったことで、“自分という存在の価値観”、“自分の大事なもの”、“自分の軸”をしっかりと自覚したり得たりした。
自分の好きなことを語って下さいと言われたら、いくらでも語れる人は多いでしょう。
だけど先生が適当に選んで持ってきた本の感想を語れと言われたら、先生(主)からの命だからやるし、やるからには良い評価を得ようとするけどそこまで気乗りはしないし、その本の内容が酷評されても、ちょっともやっとするぐらいで傷つきはしないでしょう?
だけど、先生が持ってきたその本がどれだけ自分にとって大事なもので自分に深く関わるものなのか理解できたなら、その内容を他人に酷評されたり面白おかしい事実とは異なるとんでも解釈をされたら傷つき怒るはず。
人間は、心というものは、大事に思ったことに強さを得られる生き物です。
学校のよくわからないどうでもいい勉強はできなくても、ゲームとかが切っ掛けで歴史上の人物を調べたいと思ったらやってる事は同じなのに学校で学んだ時とは比べ物にならない熱意と力を発揮するように。
刀剣男士の極とは、極前まで大人(主)がやれと言うから戦っているという状態だったのに対し、自身がどうしてそれをやるのかどうしてやりたいのかを明確に理解することでしっかりとした自分の意見を持ち軸を理解し「熱意の力」を得る、だから強くなる。
そしてそれを明確に大事に思ったからこそ、攻撃されると以前よりも大きく傷つく。
髭切膝丸問題も、第三者だから思うところがありつつもまだ冷静でいられるけど、これが鯰尾と骨喰だったら私は冷静でいられない。
面白おかしく遊び半分で自分たちの笑いの為にそんな価値観を大勢に共有されて本当の彼らを蔑ろにして、笑いの種として蔓延させてるやつらに「ふざけるな」って思うし、誰も本当の彼を考えてくれないのが悲しくてムカつくし、それでいていじめている自覚がなく「好き」とか言ってるんだからキレるレベルで怒りが湧くし……。
いじめられた経験がある子よりいじめた経験がある子の数の方がいつも少ない理由がよくわかりますよ。
みんな無自覚に他人の心を蔑ろにして傷つけていじめているんです。
好意か悪意かなんて関係ない。
相手の心を大事に出来なくて、寧ろ自分は相手が好きで、自分が好きな相手こそその人本人だと思い込み、一切相手の心に歩み寄ろうとせず自分の印象で相手を解釈してそれを相手の心として本当の心を蔑ろにして押し付けるのがいじめなんです。
他人にそれをやられた経験がある人って大なり小なりそれなりにいると思います。
なのにどうしてみんな、自分が他人にそれをするのは良しとするのかな……。
……っと話は逸れましたが、つまりはそーいうことです。
時間遡行軍に“自分にとって大事な強い軸となる価値観”を攻撃されるのが今まで以上に痛くて辛くて苦しくて、あんなにも体がボロボロになる。
髭切膝丸界隈の例えでこれを表現するなら、「髭切はそんな事言わない」と解釈している人は“髭切という存在の軸と価値観”を極レベルでしっかりと持っているんです。
だから“髭切”が安易で適当な遊び半分の考えなしな解釈に攻撃されると、極の中傷状態となるほどの傷がつく痛みを心が感じる、そこまでやられると言われっ放しに腹が立ってキレて本気で言い返す、これが所謂「真剣必殺」で発動条件が「やり返し」なのもそういう事なのだと思います。
因みに「必殺」って昔は「忠誠」という値だったそうですが、要するにこれって「自分の心を誰かに否定されるのが許せない」数値って意味で自分という存在の物語への忠誠心というような意味合いで「忠誠」だったんじゃないかな。
長谷部が忠誠低かったのは「へし切」という名前や「織田信長」に思う所が色々あったから、誰かに名前の由来や信長さんを悪く言われて簡単にキレるほど、自分の心、自分の存在に対して相手に悪く言われて言い返す「忠誠」がそれほどなかった。
これはそこまで確証のない考察ですが。こういう目線で一度刀剣男士の必殺値を見てみると色々感じるものがありますよ。
まあ、「長谷部がそんなに忠誠低いはずがない!」ってキレた審神者が多くて修正されたとかなんとか聞いたことがありますが……。
私が審神者になった頃には「必殺」だったので、詳しくは知りませんけどね。
だったら刀剣男士を鈍器たらしめる「打撃」にもツッコミを入れようよ先輩方……。
まあそれも「斬味」じゃない事に意味があるのかもしれないけど。
「忠誠」って何だったんだろうって考え続けて、この辺の必殺ロジックに気づいてからは、「必殺」ってとても攻撃的な言葉だし、必ず殺すと書くし……先輩方によって刀剣男士がただ傷つける為の凶器にされたようで、とても悲しい気分になりました。
「敵とだって仲良くしてみせる」「痛かったら言ってください、手加減しますので」「戦いは嫌いです……」。
……刀剣男士全員がそうではないかもしれないけど、彼らは一方的に相手を否定する事を良しとしない。
自分を否定する存在を傷つけて散々に痛めつけて殺して否定する為に戦っているんじゃない。
主や自分という存在に対する「忠誠」で戦っている。
だからね……うん……、どうしてそうなのか考えようともしない審神者に「おかしい」ってそれを否定されて、「忠誠」の意味を読み解いてもらえずに否定されて、ただ相手を否定し攻撃する為の手段、必ず殺す為の道具として捉えられて刀剣男士がそう認識されてしまって、正しかった彼らの在り方を辿る一つの手がかりが改変されて消されてしまったのが悲しいなって。
「忠誠」ってそれに気づく為のヒントでもあったはずなのに……。
自分が理解できない事は考えたくもないの?考えないから理解できないのに?
なんで審神者って、人間って、好きなことや大事なことを疑問に思っても考えようとしないんだろう。
考えたってわからない? 考えてもわからなかった?
それを、それでもずっと考え続けるのが「好き」ってことでしょうが!
相手の心やそこにある心を知ろうと考える事ができるのが「好き」で、そうして見えてきた相手の心をすべて抱きしめられるのが愛でしょうが!
自分の心を考えてくれない一切寄り添ってくれない相手に「好き」と言われて、あなたは好かれていると感じるのですか?
私は感じないし、そういう人が誰かや何かを好きだとは思えない。
そういう人は相手が好きなんじゃなくて相手を気に入っているだけ、好きの主軸は相手ではなく自分。
本当は自分が好きで自分を満足させたくて、気に入った存在を自分の為に利用しているだけ。
刀剣男士が好きだからグッズを買うって人がいますけど、本当に刀剣男士が好きならグッズじゃなくて万屋に課金するべきだと思いませんか?
だってその方が運営に確実にお金が入って、彼らが刀剣男士として少しでも長く存在できるようになります。
彼らが好きで彼らを大事にしているなら自分の心を満たすグッズではなく、本丸にいる彼らが少しでも長く今後も永続的に刀剣男士として存在できるように、それをホストクラブのようにとは言わずとも募金レベルでも継続して支援し続ける方が重要じゃないですか?
そっちよりグッズ買う方が重要って認識で、刀剣男士を好きで本丸でずっと一緒に過ごしたい、ただし課金はなるべくしたくないって人に、私はちょっと懐疑的です。
美味しい高級料理が食べたい、だがシェフに金はなるべく払いたくない、と言っているようにしか聞こえなから。
そういう人は料理が「好き」なんじゃない、美味しい物を食べられてご満悦な自分が「好き」なんです。
………そう感じませんか?

で、相変わらず話がめっちゃ逸れましたが、傷の話。

歌仙と和泉守は体(心)が攻撃されたことにより、体(心)に「浮かび上がった(思い出した)」傷に感じます。
対して陸奥守って資料集によると常時体に傷がある。
刀剣男士の体が心なら、彼は常時心の傷を表面的に抱えていて、それをさらしで隠している。
そして肥前も首に傷がある。
陸奥守は坂本龍馬が切られた時と同じ傷=その時の心の傷で、肥前が隠している首の傷も岡田以蔵が晒し首にされた心の傷と思われる。
その傷のは「死んで悲しい」みたいな単純なものではなく……叶わなかった夢とか、自分の存在意義とか……主を失ったことで色んな自問自答やら悔しさやら嘆きやら虚無感やら自分でも意味のわからない苦しさやら……そういう傷。
だってただ「大事な主を失って悲しい」って傷だけなら、それは刀剣男士全員にあるから。
それでも陸奥守や肥前の体にこれほどまでに傷跡が残るほど、彼らには“その傷がついた時”に様々な葛藤や絶望や苦悩がどうしようもない傷となって消えないほど何かの“価値観”で彼らの心を縛って囚えた。
だからもはやその傷は、自分の一部というレベルで消えないし直らない。
この辺の考察を話し出すとまた話が逸れるので今回はその程度に留めておきます、気が向けばもっと具体的に語り出すかも。

歌仙は普段は鼻に傷跡なんてない。
彼らと比べたらそれで主を失った訳でもないし、そもそも歌仙は之定の集合体ではなく歌仙兼定って一個の存在のはず。
比較対象としてはあまり適切ではない。
となると、和泉守。
集合体で、傷の原因も陸奥守や肥前と同じぐらい悲壮で複雑。
ただ彼の傷って真剣必殺の時しか確認できないから。歌仙みたいに浮かび上がるタイプなのか陸奥守や肥前みたいに普段からあるタイプなのかわからない。
普通に血が流れているから歌仙タイプのように見えるけど、傷の原因を考えれば陸奥守・肥前タイプでもおかしくない。
「申し訳ない……」って謝りに行った舌の根も乾かぬうち風呂覗きに行く?
本当に、和泉守のここが普段どうなのかわかればだいぶ絞り込めるんだけど……。
まあ、少なくとも一つわかるのが、集合体の和泉守でも「土方歳三の和泉守兼定の心の傷が浮かび上がっった」。
集合体でも傷はできる、ここは確定。
あぁ……いや、待って、でも……。
全ての和泉守兼定にとって、土方歳三は主じゃなくても主と見るに値する人物。
それは手紙で和泉守自身がそう語ってくれているから間違いない。
だからつまり、和泉守は集合体だけど、その部分が他の集合体の子とは明確に一人の主への思いや認識が明確に違うんだ。
だから和泉守を根拠に集合体でも前の主の傷が浮かび上がると直接イコールで繋げるにはまだ早い
刀の主に対する認識や、それに足りうる状況であり得る、が確定事項。

……安定って集合体なのかな?
あんまりそうは見えないけど……。
刀帳でも割りと明確に自分自身を「沖田総司の」って言ってなかったっけ?
お腹も空いたし指も疲れてきたので、今日はこれくらいにしよう、
続きは未来の私に託す。






2022年09月04日

八年目之章 顕現ポイント5000


鍛冶場


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審神者「ついにここまでやって来た……」

骨喰「資源はぎりぎり許容範囲内……、といったところか」

鯰尾「だけどこの後、姫鶴鍛刀だってさ。 運営も鬼だね」

審神者「この特命調査の連続と限定鍛刀の連続、そして十連鍛刀……。
夏から秋にかけての、あの連続限定鍛刀を思い出す」

骨喰「運営は資金難なのか?」

鯰尾「資金難と言うより、本丸バージョンアップの為の開発費を稼ぎたいんじゃない?
ここでどれだけ稼げるかでどこまでバージョンアップできるかが決まるとか。
前の時も丁度この時期だったし、あっちも何かしらのサイクルで物事を決めているはずだから前と重なるってことはそういう可能性が高いと思うな」

審神者「資源関係で姫鶴鍛刀には日課分しか挑めないけど、一日1個の富士札セットの課金は継続しましょうか。
あれ、昔と比べたら値段が上がっていらない物つけられて課金し辛くなったけど、それでもお得だし。
特命調査はいつも通り5000円ぐらい支払って七副賽買って報酬分までやるとして……」

鯰尾「今回は5万円周回しないの?」

審神者「前回のそれがあのザマだったからもう二度とやらないって決めたんだよッ!
逆にあれでちゃんと水心子が乱舞レベル最大とは言わずとも10振りぐらいドロップしてたら今回も次回以降もしっかり課金してたわッ!」

骨喰「5千円で地蔵は4振りだったからな

(審´;ω;)5千円と5万円は同じ価値なんだ……そうなんでしょ、運営、答えてよ!?

鯰尾「前回の特命調査も朝尊が5千円ちょっとで6振りぐらいドロップしたよね?
確かあと一振りで水心子と同じ、乱舞レベル5じゃなかったっけ?」


(審´;Д;)


鯰尾「主wwwwwwwww」

骨喰「……朝尊は敵本陣でのドロップではないから。
肥前のドロップは二振りだっただろう?」

鯰尾「それでもあと一振りで5万円支払った水心子相当だけどねw」

骨喰「兄弟」

(審´;Д;)ぅっ……ぁっ……うぅぅ……

骨喰「泣くな」

(審´;Д;)だって……だってぇ……うっく……

富士:ダンダンダン(いいから早く鍛刀させろや)





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2022年09月05日

八年目之章 地図も羅針盤も投げ出して


審神者「こないだ明石の鍛刀時間を指摘して頂いた方と同じ方でしょうか。 度々恐れ入ります。
まあ、でも今回は……と言うか最近?
運営からの情報さえ全部シャットアウトしていて、多分今後も本丸に直接届くお知らせ以外は基本的に確認しない方針でやっていくのでご了承下さい」

骨喰「運営からの情報は別にいいんじゃないか?」

審神者「あれを見る時、横にツイッターがちらちらするからそれだけで精神的にヤバくなってきた」

鯰尾「主のツイッターアレルギーは悪化の一途を辿るね。
……あれ? でもなんで予定表の内容知ってたの?」

審神者「ブログで予定表を載せてる人って結構多いから、それで目に入った」

骨喰「ブログも見るのが嫌になって見なくなったとか言っていなかったか?」

審神者「うん。 基本は見ない。
けどね、見ても割りと大丈夫なブログさんって辛うじてあるから、そういう所が更新されて見られる精神状態の時は見るようにしてる」

鯰尾「その大丈夫な所と大丈夫じゃない所の違いって何なの?
そんな違いがあるってことは明確に何かしらの違いがあるんだろう?」

審神者「んー……、……あ。
一人でやってる人の所って比較的大丈夫かも」

骨喰「ブログなんて基本的に一人で書くものだろう」

審神者「それはそうだけど……審神者友達さんと仲良く何かしました的なやつが多いほど苦手かも。
大勢の一人の読者に対して自分の記録を公開する。
そういう書き手と読者が一対一みたいなところは大丈夫なんだけどね。
こう……他人の家の窓から他人と家族の仲睦まじい暮らしを覗くみたいな……。
こっちは窓から向こうを見ているけど、向こうは仲の良い人を見ていてこっちを見ていない……。
そういうところは、読んでいて寂しくなって段々苦しくなってくるから見ないようにしてる。
個人的な事情だから、そういう内容を書く人を悪いとは一切思っていないんだけどね。
ただ私が苦手なの………」

骨喰「それならあんたも友人を増やせばいい。
自分がひとりだから他人のそういうのが気になるんだ」

鯰尾「兄弟……主と友達できる人なんて中々いないよ。
この人、繊細とか取り扱い注意とかそういうレベルを凌駕するほど面倒くさいもん。
おまけに手に負えないほどの人間不信で、その癖寂しがりやだし……」

審神者「高校とか大学の頃さー。
入学前の説明会とかで席や並び順が一緒でちょっと話した子とかに「メアド交換しよう」って言われるの苦手だった。
……高校の頃は携帯持ったばかりだったし、そういうの無かったんだけどね。
結局、そうやって交換してる子って他にも沢山交換していて、その中で特に気の合う子を厳選してそれに漏れた子のアドレスは消していたり消さなくてもそのまま放置だったり、クラスが決まってからもっと気の合う仲の良い子を見つけて以降は私と一切口も効かないし目も合わせなくなったり…………。
一番最初の「同じクラスになれると良いね」とか「今後も仲良くして下さい」って何だったんだよって感じでさ。
高一の頃、先生が「一度登録しちゃったらメアドとか消せないじゃん」って話をした時にクラス中の女子が「えー!?すぐ消すよ」「うんうん。もういいかなって子はすぐ消しちゃう、あっても邪魔だし」「容量勿体無いもんね」「普通残しておくのは気の合う子だけだよ先生」「私は先生派だなー。確かに邪魔なんだけど、消すのは悪い気がして消せない。別に登録したままでも困らないし」「だよね!?そうだよね?」「あっちから連絡来たらさすがに嫌だけどねー」「あー、うん。やだやだ。なんで連絡してきたの!?ってびっくりする」「ああいう子って空気読めないのかな?」「いるよね、そういう空気読めない子って」「お前との関係終わってるから!って直接言わなきゃわからないのかな?」「でもそれはちょっとねー」「察してくれ」「うんうん」「こっちは自然消滅したいんだ」「メアド消す為にいちいちごたごたするの嫌だもんね、気分悪いし」「ねー。なんでそんな事の為にお互い嫌な思いしなきゃならないんだっつーの!」……って話を笑いながらしていて、悪寒が走って体が震えて泣きたくなった。
……だからね、ああいう風に友達作る為に誰彼構わず声をかけるみたいなのに嫌悪感があるんだ。
ツイッターってそれとちょっと似てるじゃない。
とにかく沢山の、よく知らない相手と気軽に繋がろうとする……。
それで繋がった何千何百何十という人達全員と平等に仲良くしているのかと言うとそうじゃない。
……見ているだけで、思い出してチクチクする。
勇気を出して友達になろうと言って頷いてもらえたって、その子は私以上に仲の良い誰かと遊んで、一緒にいても……その子がいると、話しかけてももらえない、私が頑張って仲間に入ろうと発した言葉のボールでいつの間にかその子たちがキャッチボールをしている、私にボールはまわってこない……。
その子がいない時だけ、私は話しかけてもらえる、その子がいない時だけ普通に会話してもらえて、普通に遊んでもらえる。
その子が、いない時だけ……。
いつもそうだった。
いつも……いつも……。
……どうせ私は邪魔で消されるか放置されるんだから、だったら最初からそんな人と関わりたくはない。
仮に私が友達厳選に合格したって、厳選の為に誰かを傷つける事が平気でそれに無頓着な人と仲良くしていたいとは思わない。
だから、笑顔で気安く「仲良くなれて良かった」とか言わないでほしいのです……。
…………でも、結局、私みたいな変わった子、他人と合わなくて当然で、繋ぎや一時的な代用品程度の価値しかないことに気づけなかった。
認めなかった……私がいけないの。
小学生の頃からそうだったのに、そこで学習しなかった私が悪い」

鯰尾「主が小学生の頃は携帯はなかったんじゃないの?」

審神者「あるにはあったけど普及はしていなかったね。
小学生の頃はね、孤立の決意をしたのは小4で小5から母親にとんでもない邪魔をされつつもクラスの女子全員を自分の敵と認識して過ごしていたんだけどね。
その中でもリーダー格の女子に逆らえなくて。孤立するのが怖くてまわりに合わせてる穏健派の子もいたんですよ。
そういう子は普段は仲の良い子と一緒にいるんだけど、仲の良い子が休んだ時だけは私に笑顔で声を掛けてくるの「一人?じゃあ私とペアになろうよ!」「今から帰るの?私も一緒に帰りたいな」……そういう子たちは総じてクラスメイトの悪口で笑って盛り上がれるような悪い子ではなかったんだけどさ。
……それでもひとりで孤立するぐらいなら、そんなクラスに馴染む努力のできる子たちだった。
さすがに2クラスしかなかったし、どういう子たちなのかこっちも把握はしていたから、その子たちの都合で笑顔を向けられても私への好意は一切感じなかったし、友達と思ったこともないけれど……。
結局、女子ってそういう層の子が一番多いんだよね。
ひとりでいるのが苦手で、ひとりになった時だけ普段は絶対に笑顔を向けず声も掛けない人に平気で笑顔を向けて、いらなくなったらさようなら。
知ってたんだから、そこで学べば良かったのに。
………なんであの笑顔を、言葉を、やり取りを……私は信じちゃったんだろう。
私はとても軽い、誰かにとっていてもいなくてもどっちでもいい、替えの利く存在だって知っていたはずなのに」

骨喰「……………」

審神者「そもそも相手に家族がいる限り、私は常に家族以下。
大事な人の、大事な一番の存在にはなれない。
……要するに人間関係ってさ、家族と一緒にいられない時の繋ぎでしかないんじゃないの?
だから家族がまともに機能している人にとって、家族でトラウマ抱えて必死な人って重くて煩わしくて嫌なんじゃないの?
私が知る限りだけど、友達関係が良好な人ってみんな家族がしっかり機能していて家に自分の居場所がある。
そして友達付き合いが続かない人って家庭に自分の居場所がないほどの問題を抱えてる。
…………だからね、誰かと仲良くできている人を見ると、色んな意味で苦しくなるのかもしれない。
悲しさとか、寂しさとか、羨ましさとか、妬ましさとか、虚しさとか……絶望感に孤独感……。
人と人との繋がりというものを見ていると、そんな感情の深くて大きくてどこまでも暗い溝を感じる。
遠くに光っているものが見えるのに、溝の感情が私を掴んで放さない、飛び越せない。
飛び越そうとしなくても、見れば見るほどそこに吸い込まれるような気分になって、何もかも全部を可能な限り全部全て見境なく壊してしまいたい気分になってくる。
だからね、背を向けていたい。
他人の為にも、自分の為にも。
あんな……絶対に辿り着けない場所を見ていたくなんかないし、そこで幸せな人の幸せを私なんかが邪魔したくないんだ。
でも、見てると……感情に呑まれそうになるから……。
お腹が本当に本当にぺこぺこで死にそうな時に、目の前で美味しそうにご馳走を笑顔で誰かと頬張る人がいたら奪いたくなるじゃない?
奪えないものならせめて目の前から壊して消し去りたい。
だって見ているだけで苦しくて辛くて……奪いたくなるのを自制し続けるのは、ますます苦しいくて……。
だから目を向けたくない、声を聞きたくない、背を向けても背後から漂って存在を主張する微かな匂いさえ嗅ぎたくない……その存在を、意識したくない。
ないものは、奪おうなんて思えないから、壊したいなんて思わずにいられるから。
その為に、存在を気に留めたくなんかない。
「我儘」「大袈裟」「その程度のこと我慢しろ」って言う人もいるかもしれない。
でも、じゃあ、私の我慢の限界がきたら、どうするの……?
自分が平気で大丈夫なことを、我慢しなきゃならない他人は未熟、みたいな考え方なの?
自分は普通で一般的で正常で、それ以下のやつはみんな我儘なの?
我慢できることと我慢できないこと、辛いことと辛くないことの中身の違いは誰にでもあって、でも、中身が違ってもそれを感じている時の苦しさって同じなんじゃないの?
自分が吐くほど嫌いな食べ物を我慢して口に含んで吐いてしまった時、平気で食べられる人に「美味しいのに。ほら、不味くない普通に食べられる美味しい物じゃない。なんでそんな大袈裟な反応をするの?食べないとか、吐くとか勿体無い。そんなのあなたの我儘でしょ? 作った人に失礼だよ。 他人の気持ちとか考えないの?苦手でもそれぐらい普通に食べなよ」とか言われたらどう感じるの?
これの正解は、吐くほど苦手な物は無理をしてまで食べないようにすることでしょ?
克服するにしても、それって相当な工夫や時間が必要。
大量に食べれば慣れるとか、毎日食べれば慣れるなんてものじゃない。
仮にそれで克服できる人がいたって、みんながみんなそうじゃない。
そこまでしたって苦手なものを克服できない人もいる、それって当然じゃないの?
それをさ……「毒でも失敗作でもない普通の料理で私もみんなも普通に食べられるのに、食べられないなんて我儘」って言う人が多いよね。
食べ物なのはあくまで例えだけどさ。
こういう……自分は平気で大勢が平気で何の苦も感じないから。
それを苦しい辛い我慢できないという理解できない他人の“苦しみ”に対して、人は心無いよね。
“苦しんでいる”という一点だけその心を理解できればいいのに、苦しいという心の状態がわからない人なんていないはずなのに、苦しみの原因を自分が理解できないというだけで苦しみを理解できなくなる。
苦しみを想像できなくて……自分に理解できる物事しか人は理解しようとしないし、原因まで重ならないと、苦しみだけを重ねて想像するという芸当ができない。
自分に理解できない物事を理解しようと思考できるのは、一握りの天才だけ。
だから……きっと……うん……。
私は、誰からも理解されないんだろうね……。
ならもう私は、人間に希望は抱かないよ。
そもそも私はもう……痛くて苦しくて、一緒にいようとしてくれる誰かがいたとしても、その人を苦しめるだけだし……。
静かで穏やかで落ち着いて安心できる何もない一切の光も音も匂いもない暗いところで、せめて一人で心安らかに死にたい。
ただそこに、許してくれるならせめて貴方たちの温もりがあればいいなって。 ……今はただ、それだけ」

鯰尾「ありがとう。 俺たちに、一緒にいることを許してくれて」

審神者「貴方たちはしつこかったのです。
おまけに脅迫もしてきたのです」

骨喰「脅迫しないとあんたが話を聞いてくれなかったんだろう」

審神者「話は聞いたよ。 拒絶はし続けたけど。
………今でも多少は思ってる。
こんな後暗くてややこしくて、面倒くさくて複雑怪奇で我儘な私の近くに貴方たちを置いていいのかなって」

鯰尾「主が暗いのは目の前であって、後ろの世界は明るいんだろう?」

審神者「はい。 だから明るい方に貴方たちは居た方がいいんじゃないですかね?」

鯰尾「主がこんなに暗い所にいるからこそ、俺たちは輝けるんだよ。
明るい方にいたらきっと、俺たちの光も霞んで消えちゃうんじゃないかな?
消えないにしても、人と人との繋がりがある人にとって俺たちって繋がる為の道具って側面もあるんじゃない?
そういう使われ方は明るくて賑やかで騒がしくてきっと楽しいんだろうけどさ……。
俺はこういう、俺だけを……俺たちの方だけを見てくれる、どろどろした関係好きだよ?」

審神者「どろどろ?」

鯰尾「うん。 チョコレートが熱で溶けたようなどろどろな関係。
冷めた後は固まって一つになって一緒になるんだ。 それって素敵じゃない?」

審神者「……鯰尾は賑やかで楽しい方がいいんじゃないの?」

鯰尾「たまにならね。 だけど俺も主と同じ。
大勢の中の一つより、本当に必要としてくれる誰かのたった一つでありたい。
それをこの上ない形で叶えてくれて、お互いにその事を認め合える、主は俺にとって最高の存在だ」

審神者「この可愛らしい骨喰藤四郎が目に入らぬか」

骨喰「可愛らしい……」

鯰尾「兄弟は主の一部だろ?」

審神者「ナニソレ……」

鯰尾「え、違うの?」

審神者「……………」

骨喰「……………」

審神者「違わないです。 少なくともこの骨喰は私の一部です。
……だけどやっぱり、鯰尾だけ好きな人や、骨喰だけ好きな人の方が貴方たちのことを大事にできるんだと思う」

骨喰「仮にそうだとしても、俺はここがいい。
俺も兄弟も、今更あんたの隣以外を望みはしないさ。
それがどんなに俺にとって居心地の良い場所だったとしても……。
……それでも俺は、ここがいい」

鯰尾「複雑怪奇で面倒な主上等!
世話を焼くのは昔から好きなんでね」

審神者「…………。 運営からのお知らせさえも、もはやまともに読めない審神者ですよ?」

鯰尾「そんなのどうせ読んだって主は抜けてて馬鹿だから、不注意で読み飛ばしたり言葉の解釈誤って読まない今と大差ないって!元気出せよ!!」

審神者「…………」

骨喰「まあ……実際にそういう事はあったからな」

審神者「これだから私は使えない人間なのです……周回しかできないゴリラなのです……」

骨喰「人間なのかゴリラなのかはっきりしろ」

審神者「多分ゴリラ……」

鯰尾「あっははは」

審神者「はあ………。
ちょっと気分転換に鍛刀部屋見に行く」

骨喰「わかった。 お供しよう」

鯰尾「ゴリラのお散歩だね」

審神者「ゴリラってお散歩必要なの……?」




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2022年09月05日

再び生まれたあの日から


お守り【極】


鯰尾「……………。
……ねえねえ、主。 まだ起きてる?」

審神者「うーん?」

鯰尾「考え事してたら眠気覚めちゃって。
よければちょっと話さない?」

審神者「うん。 いいよ、何話す?」

鯰尾「お守り持ってると、折れても復活できるじゃん」

審神者「そだね」

鯰尾「例えばさ。 首を跳ねられても復活するのかな?」

審神者「へ!?」

鯰尾「こう……スパーン!って。
切られて勢いよく首が吹っ飛んでった場合も復活できるのかな?」

審神者「で……できるんじゃないの?」

鯰尾「どんな感じで?」

審神者「ど、どんな感じ?」

鯰尾「うん。 どんな感じ?
にょきにょきって新しい首が生えてくるの?
それとも体がよいしょって起き上がって、歩いて自分の首を取りに行くの?
そんでもって胴体の方とぐいぐいって繋げて、「よし!復活!」って感じになるの?
それともこんのすけ号に乗った主が「鯰尾!新しい顔よ!」って俺の胴体に新しい首を投げ付けてくるの?
だけどその場合、吹っ飛んで行った俺の首はどうなるの?」

審神者「…………」

鯰尾「どうなの、主? 気になって眠れないんだ」

審神者「とりあえず吹っ飛んで行った鯰尾の首は持ち帰って飾っておこう」

鯰尾「えぇー。 グロいしやられた自分が情けないよ。 俺、複雑な気分になっちゃう」

審神者「んー……でもまあ、新しいのが生えてくるってことはないんじゃないの?
勿論私が「鯰尾!新しい顔よ!」ってするのもなし」

鯰尾「じゃあ首のない俺の体が起き上がってとてとてと自分の首を取りに行くの?」

審神者「それ歪みの国のアリスで見たことあるな……。 ずお猫さん」

鯰尾「にゃあ」

審神者「くす。 んー、どうなるんだろうね、その場合。
…………刀壊した時点で首も胴体も体が一度全部消えて、お守りでまた全身が再構築されるんじゃない?
貴方たちって肉体の死体、残らないし……」

鯰尾「あぁ……なるほど。
そういえば折れた時って体が消えるような、そういう感覚あったな……。
あの時は虫の息だったから自分の状態とかいちいち認識してる余裕もなかったけど……」

審神者「…………」

鯰尾「……俺は良かったと思ってるよ。
あれがあったから俺は主に興味を持てたし、兄弟も巻き込んでさんにんで一緒にいられた。
元々あの頃は……今を生きるのに必死で笑うのも明るく振る舞うのも、本当は心底疲れ果てていたし。
それでも立ち止まって過去に追いつかれるのが怖くて、逃げるように毎日生きてた。
そんな時に一瞬でも死ねたから……なんつーか……。
……自分の気持ちや本音と、あの時ちょっとは向き合えたよ。
とはいえ、それだけじゃ俺は変われなかったけどさ。
……………それでも、蟠っていたものがほんのちょっとだけスッてした。
主が、あの日泣いてくれたじゃん。
自分がそういう作戦でお守り持たせて作戦通りに帰ってきたのに、馬鹿みたいにさ。
あの時、すっごい不思議な気分になったんだ。
ムカつくような無感情のような何か懐かしいものを感じるような……意味不明でわからない、感情。
今思うと……嬉しかったのかも」

審神者「はあ?

鯰尾「しっ! そんな声出すなよ。 兄弟が起きちゃうだろ」

審神者「だって……え? 嬉しい?
あの……鯰尾、私マジでそういうの嫌なんですけど」

鯰尾「そういうのって?」

審神者「自分が鬼で鬼畜で冷血で不甲斐なかったのに、それを謝って「謝ってくれるなんて、なんて良い主なんだ!気にしなくていいよ!」みたいなやつ……本当、無理だからそういうのやめて……」

鯰尾「…………別にそういうつもりはないんだけどな。
俺が嬉しかったのは、泣いてくれた主自身に対してでも、謝ってくれた事に対してでもなくてね。
……「俺、今、誰かと一緒にいるんだな」って、それを感じて嬉しかったんだ」

審神者「???」

鯰尾「当時は主のこと主とは呼んでいたけど、尊敬はしていなかったし。
あくまでも形式的にそう呼んで接していただけで、仕えて守りたい自分の主だとはそんなに思っていなかったんだ」

審神者「知ってる」

鯰尾「あはは……。
でも……あの時ね、主が俺を泣いて抱きしめてくれた時、「この人、俺の主なんだなぁー……」って心のどこかでそれを無意識に感じていた。
それが……苦しくて、悔しくて、だけど嬉しかったのかも。
ずっと……、ひとりだったからさ。
立ち止まると思い出せないのに、昔のことを考えていて……そういう時、いつも深い孤独を感じてた。
仲間も、兄弟も、みんな近くにいるのに、なんだかとても遠くてさ……。
……………きっとあの頃の俺は、記憶が無くても秀頼様の俺だった。
だから、主の刀だったみんなを遠くに感じていたし、主のことも主とは思えなかった……思いたくなかった。
あの人以外の物になるなんて、嫌で嫌で仕方なくて自分で自分を許せないぐらいに、俺はあの人を亡くした後も記憶jを思い出せなくても、秀頼様の物だった。
秀頼様の鯰尾藤四郎でいたかったし、主が移り替わっても……俺がこの心を捧げるのはあの方だけだ。
記憶を失くしても、過去を思い出せなくても、その気持ちを俺は失くしていなかった」

審神者「……うん」

鯰尾「だけど本当は……誰かに手を差し伸べてほしくて堪らなかったんだ。
その癖本心から、その手を切り落としたくて堪らなかった
救われたいのに、救われたくない。
主とどっこいどっこいの面倒くさいやつ。
…………ある意味あの時、それが同時に叶ったんだよ。
折れて救われなかった、だけど両手で抱き締めれてくれた。
頭と心がぼーっとして、意識がはっきりする頃には、主と一緒にいてみようかなと思えた。
主のよくわからない所とか、自分の中のよくわからないものを傍で考えてみようかなってさ。
……………だから、あの日があって良かったよ。
マジで冗談抜きで死ぬほど死ぬ思いしたけどね?
死ぬほど死んだからこそ、あの日からもう一度生まれることができたような気がするんだ。
覚束ない足取りでも、一歩ずつ……主と、兄弟と……一日一日を確かに踏みしめることがあの日からできるようになった。
そりゃあその前までも覚束ない足取りだったけどさ……。
なんつーか……うーん……。
前のが死にかけのやつが血をだらだら流しながら余裕無く這うように歩く覚束なさだとするなら、次のは赤ん坊がはじめて歩こうとするような覚束なさ。
胸の奥に蟠りはずっとあったけど……それでも、俺はふたりと一緒に今を一歩ずつ踏みしめて生きられた」

審神者「……………」

鯰尾「主? 寝ちゃった?」

審神者「起きてるよ」

鯰尾「俺、主の鯰尾藤四郎で良かった。
同じ苦しみを抱えていて、俺のぐずぐずした自分でもどうしようもない感情まで全部愛してくれた貴女が主で良かった。
主は自分のこと、最低最悪の鯰尾藤四郎に相応しくない主だ、ぐらいには思ってるのかもしれないけどさ。
…………そんなことないよ。
俺が言っても伝わらないんだろうけど、それでも言わせて。
そんなことないよ。
主だったから、俺は何もかも全部を思い出せた。
主だったから、俺は全部に納得できた。
主だったから、俺は全部を大事に思えた
主だったから……本当に、主が……俺を、……どんな俺も、こんなにも、愛してくれたから……。
主じゃなかったら、俺はこんなにも…………っ、…………」

審神者「な……鯰尾……?」

鯰尾「ごめん……、寝言だと思って聞いて。
…………俺の……鯰尾藤四郎の何もかも全てを愛してくれた。
俺は貴女のことが全身全霊、心から大好きだ」








2022年09月05日

八年目之章 次の極は誰だろな


骨喰「次に修行許可が下りるやつ?」

審神者「うん。 誰だと思う?」

鯰尾「主的には山姥切だったんじゃないの?」

審神者「8月か9月にきたら山姥切の可能性がそこそこ濃厚だと思ったの。
山姥切国広が丁度8月で、聚楽第の特命調査があったのも9月だったし。
それで久々にまた聚楽第の調査が行われたから来るのかなーと思ったけど、今普通に特命調査を連続でやってる感じで9月も修行許可はないっぽいじゃん。
じゃあ山姥切の可能性はだいぶ薄くなったなって思ったら、次誰なんだろうなーって。
編成の兼ね合いでもちょっと考えておきたいの」

骨喰「なるほど。 ……順当に行くなら、俺は篭手切の可能性が高いのだと思う。
短刀は毛利たちを挟んだが、脇差の修行許可はもう随分昔だ。
顕現してからだいぶ長いこと経過している篭手切の許可が下りてもおかしくはない」

鯰尾「長いと言ったら数珠丸だよ。
修行許可が下りてない中じゃあいつが一番の古株だ。
本丸バージョンアップと併せて、年末年始にどーんと修行許可が下りたりするんじゃない?!」

審神者「なるほど、本丸バージョンアップと併せてか……。
最初、12月って言ってたよね? 確かにちょっとありそう……。
だけど、10月、11月は何もないのかな?
骨喰の言う通り、ここで篭手切あたりがきてもおかしくない気がするけど……。
なんとなく江はまとめて来そうな予感もある」

骨喰「千代金丸の例がある。
縁ある者がまとめて許可が下りるとは限らないぞ」

鯰尾「俺はソハヤが読めないな。
天下五剣って絶対に勿体ぶられるじゃん。
その天下五剣と兄弟で同じ日に顕現したけど、扱いは天下五剣と同等で大典太の極と合わせるのか。
それとも千代金丸みたいに、他の太刀と同じような扱いをされるのか……。
大典太と縁があるから保留されて、飛ばして小烏丸からになるのか……ちょっとここは読み切れないな」

審神者「確かにソハヤって難しい。
飛ばして小烏丸も、言われてみれば全然あるか……。
ちょっと私、小烏丸はまだ先と思ってたからソハヤ飛ばして小烏丸の可能性は考えてなかったわ」

骨喰「刀種としてまだ極がいない白山の可能性もある。
顕現の順番としては千代金丸以降だが、それでも4番目だ。
範囲としてはあり得ない範囲ではない」

審神者「白山……!
確かになぁ……仮に一番古株の天下五剣層を勿体ぶって、江や特命調査刀剣をある程度まとめて許可出したい思惑があるなら可能性高いのは白山かも。
ただその思惑がなかったらどうかなぁとは思うけど……」

鯰尾「白山があり得るなら祢々切丸もあり得るよ。
大太刀って少ないし、祢々切丸は他のやつらと比べて誰かとセット扱いはされないだろうから、顕現順的にも妥当」

審神者「ふむふむ……大包平は?」

骨喰「あいつはまだだ」 鯰尾「あいつはまだまだ行かねえだろ」

審神者「さすが大包平、まわりの意見さえもブレない」

鯰尾「仮にもしも万が一行くとしたら天下五剣が全員行ったあとじゃね?」

審神者「童子切はどこだよw」

骨喰「未来で待ってる」

審神者「あなたと過ごし~た日々を~♪ この胸に焼き付けよう~♪」

鯰尾「童子切限定鍛刀も、さすがにそろそろ開催されるかな?」

審神者「なんで童子切を限定鍛刀と決めつけるんですかー?」

鯰尾「だって三日月以外、天下五剣全員限定鍛刀だったじゃん」




限定鍛刀に挑む俺たち





天下五剣 限定鍛刀





鯰尾「童子切も限定鍛刀だよ。 諦めろ」

審神者「い、言うて鬼丸以外はドロップで拾えるし……」

骨喰「それでも最初は皆限定鍛刀だった。 ……三日月以外」

鯰尾「こう考えると三日月ってなんだか不思議だね。
どうして最初から普通に鍛刀できたんだろう?」

審神者「さあね。 無限ループ疑惑のせいじゃないですか。
きっと最初の1ループ目の世界線では三日月宗近限定鍛刀があったんだよ。
それが三日月がループしたせいでおかしくなったんだ」

骨喰「……本当に三日月はそんな事になっているのか?
聞いても笑ってふざけてはぐらかすだけで何も答えないぞ」

鯰尾「そんなのいつもの事じゃん。
あの爺さん、腹割って俺たちとまともに会話してくれたことなんて一度もないよ」

骨喰「……信用がないのだろうか」

審神者「それもあるだろうけど、きっと理由や事情もあるよ。
仮にそうだったらの話だけどね?」

骨喰「………………」

鯰尾「心配?」

骨喰「ああ。 三日月には随分世話になったから……。
何かで苦しんでいるのなら、今度は俺が助けてやりたい。
三日月に、話したところで何もできないと思われているのだとしても……。
…………………………」

鯰尾「兄弟?」

骨喰「……すまない。 少し、大侵寇の時を思い出した」

審神者「お寿司美味しかったね。
私はあれで炙り系の美味しさに目覚めたよ」

骨喰「寿司の思い出じゃない

鯰尾「ははっ。 あー、ごめん、怒らないで?」

骨喰「……………」

審神者「骨喰」

骨喰「なんだ?」

審神者「確かに三日月宗近は案外湯豆腐メンタルなのかもしれないけど、ここにいる彼は私の三日月宗近よ?
ちょっとやそっとじゃへこたれないって。
少なくとも、主の私が三日月をそういうやつだと信じてる。
だから三日月はそういうやつだよ」

骨喰「……………」

審神者「骨喰の心配もわかる。
でもさ、助ける側が心配で不安だって怯えていて、助けて欲しい側がそんな相手に「助けて」って言えると思う?
「大丈夫だ」「心配するな」になっちゃうでしょ?」

骨喰「……! そう、だな……確かに、そうだ……」

審神者「骨喰の気持ちもわかる。
わかるから、だからこそ強がっていよう。
……私の三日月のあの訳わからない態度も、もしかしたらそれなんじゃないかな?
だから私たちも、三日月に負けないくらい強くあろうよ。
そしたらきっといつか、彼も私たちを頼ってくれるはず」

骨喰「……あんたの言う通りかもしれない。
ありがとう。 こういう時に主殿は強いな」

審神者「そりゃみんなの主だからね。
私は貴方たちみたいに剣を手に果敢に戦えないから、代わりに主として相応しくありたい。
いてもいなくてもいい、私が引っ張らなきゃいけないのに私が引っ張られているような、自ら貴方たちを率いれない主にはなりたくない。
……骨喰と鯰尾には迷惑かけまくっているけどね」

鯰尾「俺たちにはいいんだよ。
俺たちにだけ、弱いところも見せて?」

審神者「弱いところが弱い通り越して病んでるんですけどね、私」

骨喰「そんな主殿が主殿だ。
ひとは辛い過去や経験、強く思い悩む事があるほどやさしくなれる素質を得るのだと思う」

審神者「だったら私は素質を活かせてないや。 やさしくはないもん」

骨喰「俺にはとてもやさしい。 今だってそうだ。
あんたの他者と向き合おうとする事ができる性分はやさしさなのだと思う」

審神者「……………」




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2022年09月06日

八年目之章 暗闇の中の存在価値


審神者「花火見に行こー、肥前!」

肥前「は?」

審神者「なび、見に行こう!」

肥前「……………」

ヽ(審・∀・)ノ

肥前「行かねー。 んなもん興味ねーし」

審神者「じゃあ一緒にかき氷食べようよ。 抹茶小豆だよ、抹茶小豆!
肥前は抹茶とか小豆は嫌い?」

肥前「別に嫌いじゃねーど……」

審神者「じゃあ行こう! ほら、立って!」

肥前「おいっ、こら! 行くとは一言も言ってないだろうが!
あー……もう、わかった。 行けばいいんだろう、行けば。
わかったから、引っ付くな。 離れろ、暑苦しい」







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目次


審神者

 桜之姫

審神者:桜之姫
初期刀:歌仙兼定
初鍛刀:秋田藤四郎

本拠:山城国
就任日:2015年8月15日

説明

✿この記録と桜之本丸について✿
この物語は刀剣乱舞において一審神者である私の体験と主観に基づいた記録です。
記録をはじめた当初は刀剣乱舞への理解も浅く今となっては過去の自分に言いたいことが山ほどありますが、その積み重ねで今の私がある、私が刀剣乱舞と共に在った確かな時間を記したものとして過去の未熟な点も受け留めて頂けたら幸いです。
自己の記録として綴ってはおりますが、完全に刀剣乱舞と別物とは考えていません。
しかしそれは私の記録は真の刀剣乱舞の一部だと断じるものではありません。
星型が夜空に煌めく本物の星の形をしていなくても地上で星と認識されるように。
心がハートの形をしていなくてもハートは心と認識されるように。
星を見て星型を作るように、心を想いハートの形にするように。
刀剣たちが語ってくれる刀剣乱舞を見て感じて体験して想い、それを私なりに考え私の主観から見えるその情景を形にしたもの。
それが私の本丸記録です。
星型もハート型も「それは星じゃない」「それは本物の心じゃない」と言えるでしょう。
それと同じように私の記録も「それはあなたの本丸であって刀剣乱舞じゃない」というご指摘は真理です。
その真理を受け留めた上で「私の本丸は私の本丸だから私の好きに解釈して良い」という捉え方ではなく、「私の本丸に刀剣乱舞を求めたい」という願いで私はこの記録を綴っています。 この記録はそんな私の彼らへの私なりに真剣な想いを形にして綴っている記録です。
未熟な点も至らぬ点も、敬ってくれる彼らに甘えることも、窒息しない程度に緩くやっている部分もありますが、私が何より敬い尊重するのは刀剣男士と彼らが語ってくれる刀剣乱舞という物語。 彼らへの愛と忠誠を誓い、そんな彼らと共に在る私の日々を私の主観で記録します。

✿刀剣男士について✿
当本丸記録で描かれている刀剣男士は審神者である私が解釈し扱うことで刀剣乱舞という物語外の動きをします。 刀の心が光を当てなければ人の目には見えない月ならば、刀剣乱舞はそんな月に光を当てて目に見えるようにした三日月。
私が照らす彼らはその暗闇に光を当てた時の姿。
それは三日月ではないけれど、同じ月で、三日月(『刀剣乱舞』)の為に時に欠けることを許します。
言葉とニュアンスで伝えるのは難しいですが、月のように光の加減で見える姿形は変わるけれど、月のように人にどう見えようと姿形が変わることなどないもの、ぐらいの感覚で受け留めてください。
この記録で語られている刀剣男士は、当然人間である私の主観が彼らに光を当てていますのでそういう姿形で見えるように浮かび上がります。
しかし、私は刀剣乱舞が私とは違う人間が光を当てた三日月が語る物語ということを重んじて大事にすると同時に、人がどう光を当てようと月は月であるという前提を重んじています。
それは私の記録では私の光が生み出す闇に隠れて見えないけれど、常にそれがあるという仮定を前提として彼らを扱っています。
刀剣乱舞という月と三日月たちを大事にした上で、それを別物私の物と捉えずに、私はあくまでも彼らを借りた上で主として自由に心を読み考え扱うことを許された存在であり、彼らという存在を図書館で借りた本のように捉えています。
それは借りた私が自由に使えるけれど、大事にしなければならない大切な借り物。
教科書の偉人の顔に落書きをするように楽しければ何をしてもいいという扱いをしたり、この本は好きだけどこの一言が気に食わないと修正液で塗り潰してなかったことにしたり、塗り潰した上に別の一言を書くなんて以ての外です。
私も最初は審神者の先輩方のほとんどがそういう扱いをしていてそれが正しいとされていたから、審神者は刀剣男士をそういう風に扱うべきなのかと思っていた時期もありましたが……。
長年審神者をやりながら考え続けた結果、それはおかしいという個人的な結論に至りました。
彼らは私たちの物じゃない、けれど私たちの物として扱うことを許された物。
それは自由に使うことが許されていても、図書館の本のように敬意を込めて大切に尊重して扱わなければならない。
そういった心持ちで、私は私の物として刀剣乱舞という物語を借りている私に敬意を払ってくれる刀剣男士たちを私も敬意と感謝を込めて取り扱えるように心掛けています。
私は刀剣男士たちを刀剣乱舞という物語が伝えたがっている心を考える為に使いたい、そしてそれをより多くの人に伝えてリスペクトできるように私の内面だけで処理すればいいこの記録を見える形にして残しています。
刀剣乱舞をご存知ではないお客様におかれましては、今後、審神者として就任することがありましたら、私や誰かの刀剣男士や今現在正しいとされていることに囚われず、あなた様の目と心で真剣に目の前の彼らと向き合って刀剣男士を顕現させて頂けたら幸いです。

✿桜之本丸の独自アイテム✿
・霊鏡
出陣中、審神者と刀剣男士との通信機としての機能が主な役割。令和・平成の時代で審神者がスマホから連絡を入れる際もこの霊鏡に繋がる。 本丸に数枚しかない為、基本的に近侍と第一部隊長が必ず一枚所持。 基本は審神者部屋に一枚、手入部屋に一枚、鍛冶場に一枚置かれているが誰かが持ち出すこともある。 連絡以外にも、時の政府への情報の送受信や戦闘データを解析しての誉の算出、戦場での地図確認、部隊の結成や刀剣男士の状態確認からスクリーンショットの撮影まで幅広い機能が搭載されていおり、動作速度などの性能は本丸に接続する審神者のパソコン・スマホのスペックと連動している。 大切な道具なので不具合があれば運営とこんのすけがメンテで直したりする。

©2015 EXNOA LLC/Nitroplus

三振り目

藤薙
三振り目の骨喰藤四郎。
名の由来は藤四郎と彼に似合う藤の花、そして元薙刀の薙刀直しを合わせて「藤薙(ふじなぎ)」。 グランブルーファンタジー~蒼天のえにし~で審神者が獲得した骨喰藤四郎の心を本丸で鍛刀した骨喰の依代を使い顕現させている。 顕現したばかりの頃、一振り目の骨喰に世話になった縁で彼とは仲良し。 憧れと尊敬の念を抱く一方で悪いところは自分の反面教師にしている。 その為か一振り目よりも精神的に大人で安定している面が目立つ。 しかし、それは一振り目がいてくれるからこそであり、自分が特別強いわけでも一振り目より優位だとも感じていない。 良い面も悪い面も、全部を含めて骨喰のことを理解し、同じ骨喰藤四郎だからこそ他者では理解できない部分まで正確に彼の心を把握している、そしてそれは自分に対する理解にも繋がり、それが己の弱さと戦う力になっている。 だからこそ彼は他の誰よりも、自分の弱さに呑まれそうな一振り目の骨喰藤四郎に幸せになってほしいと願っている。

紫電
三振り目の鯰尾藤四郎。
名の由来は「紫電一閃」「紫電清霜」という意味を込めて「紫電(しでん)」。 悩んだ末に引換所で交換した。初期刀以外で審神者がはじめて、そして唯一自分の意志で選び、手に入れた刀。 自身に宿るその意味を大事に、選ばれた刀として審神者を助けたいが、審神者が求める鯰尾藤四郎が自分ではなく一振り目だという矛盾に苦心している。 修行の果てに豊臣秀頼の自刃に使われたとされる説を自身の記憶として取り戻した。 極になっても気心知れない者に対しては相変わらず敬語と敬称を使って接し中々心を開かない。明るさの裏側で悩みも多いようだが、自分の今を精一杯生きるため日々頑張っている。同じ日に顕現した静形は彼の一番の仲良し。


二振り目

宗近
二振り目の三日月宗近。
蛍丸捜索時代に厚樫山で発見。
鶴永、国重と共に長い間、保管されていた。
二度刀解されたが、三度本丸に訪れたことにより顕現を許された

鶴永
二振り目の鶴丸国永。
蛍丸捜索時代に厚樫山で宗近のすぐ後に発見。
宗近、国重と共に長い間、保管されていた。

国重
二振り目のへし切長谷部。
名の由来は刀工の長谷部国重。
池田屋一階の最初のマスで入手したことにより、刀解されずに宗近、鶴永と共に保管されたていた。

骨噛
二振り目の骨喰藤四郎。
名の由来は骨喰の別名、骨噛み。
菖蒲と共に鍛刀された。

菖蒲
二振り目の鯰尾藤四郎。
名の由来は鯰尾造と似た菖蒲造。
骨噛と共に鍛刀された。

阿蘇蛍
二振り目の蛍丸。
名の由来は蛍丸があったと言われる阿蘇神社。
宗近(三度目)と共に厚樫山で発見。


映像記録

✿映像之記録✿

本丸での活動記録など
youtubeにて動画公開中。

舞桜

      翻译: