13時~14時
仕事→一時帰宅、荷物を置き、歌仙を携え地元の駅へ
14時~
行きの電車の中
審神者「各駅停車だから本丸覗こうー」
歌仙「大丈夫かい?
本丸と繋いだら電池の減りが早くなるだろう?」
審神者「大丈夫大丈夫、鯰尾のキャラチャージ持ってきてるから」
14時~
大宮→川越
歌仙「で、目的の川越線は何処なんだい?」
審神者「ここー……あれ?違う?」
歌仙「………(先行きが不安だ)」
審神者「んーと、じゃあ、こっちー。
………ぁ…このホーム…。
三次面接までしてようやく内定もらって、雇用契約書を書きに来てと言われて行ったら内定取り消された時の……。
うぅん、過去は振り返らない…!
あとはこれに乗っていれば川越に着くはずだから、本丸に繋ぐー。
はーせべー、厚樫山に出陣お願い」
長谷部「畏まりました。皆を連れて参ります」
審神者「歌仙、すごいよ、長谷部達。
厚の刀装剥がれたけど、全員無傷で検非違使に勝ったよ」
歌仙「手入部屋ががら空きの時に限って、皆動きが良いな」
審神者「うん。でも、誰も怪我しなかったなら良かった。
あ、川越着いたね……ちょっと待って。
ってことは、長谷部達、1時間近く無傷で厚樫山登ってたの?!
わー…スマホ越しじゃなくて傍にいたかったなぁ……」
14時~14時30分
川越駅→???
歌仙「方向はわかっているよね?
西口かい?それとも、東口?」
審神者「西口ってグーグル先生が言ってたから、西口に出て右斜め上に進むよ」
歌仙「……右斜め上…?方位は?」
審神者「…?」
歌仙「………」
審神者「大丈夫だよ、私方向感覚は良いから!」
遭難歌仙「……じゃ、主。
僕は本丸の方へ意識を向けさせてもらうよ」
審神者「お願い、見知らぬ土地でひとりにしないで」
15時~
川越駅→旅路
審神者「帰り道は分かっていたから、迷子じゃないの!
遭難なんかしていないの!っていうか、東口じゃん!
こっちにはちゃんと地図があるじゃん!グーグル先生の馬鹿ー!」
歌仙「馬鹿なのは道を調べない君だろう?」
審神者「……調べたもん…。
途中でこっちじゃないかも、って気づいて良かったね。
赤心堂病院に感謝(専門の時に学校に求人が掲載されていて、地図を調べたことがあったので、場所がまったく違うと確信を持てた)。
でも、大丈夫、ここからなら行ける…!
この場所から右斜め上に進むよ、歌仙!あっち!」
歌仙「主、少しは学習してほしいんだが…」
審神者「大丈夫。ここからなら迷わないよ、いけるいける!」
迷った審神者「何これ…何処ここ……。
地図に表示されている場所が周りに全然ないんだけど…。
この地図、大丈夫?古くない?」
歌仙「大丈夫じゃないのは地図ではなくて君だろう?」
審神者「むむむむむ…・ちょーっと危ないかなぁ?
最終受付16時30分…駅から徒歩26分で……。
今、15時20分か……。
……………インストールするから、助けて!GPSさん!」
歌仙「最初からそうすれば良いんだよ。
そもそも、どうしてバスを使わないんだい?」
審神者「バスの乗り方がよくわからなくて怖い」
歌仙「……そう馬鹿正直に答えないでくれるかな?
呆れてものも言えなくなってしまうよ………」
GPSさんは言っていた。
真逆に進んでいると…!歌仙「………僕はもう。
君の方向感覚と、大丈夫という言葉は信じないことにするよ、主」
審神者「いつもはこうじゃないの…!
体育祭で生まれて初めて横浜に行った時だって迷わなかったの!
見知らぬ土地で駅から徒歩2時間の所に行った時だって迷わずに行けたの!」
歌仙「そうかい。とっとこ審神者」
審神者「ううぅぅ…帰ったら鯰尾と池田屋行くー!」
15時30分~15時45分
桜道→目的地付近
審神者「ここを道なりに真っ直ぐ行けば着くんだよね?
あと受付終了まで1時間あるし…うん、なんとか間に合いそう…!
……あ、歌仙、歌仙!あそこ、綺麗じゃない?
方向的にこっちで大丈夫そうだし…。
ちょっと向こうの道を行ってみようか」
歌仙「おや、これは風流だねぇ」
審神者「うん、咲き誇っていたら、きっともっと綺麗だったろうね。
この前の雨で散っちゃったのかな…残念……」
歌仙「いいじゃないか、この桜も。
これはこれで、僕は美しいと思うけれど?」
審神者「そう?だって、ほとんど散っちゃってるよ?」
歌仙「咲き誇るばかりが美しさではないさ。
見た目だけではなく、時の流れや、生き様の中にこそ、本当の美しさというものは宿っているよ」
審神者「(あぁ…歌仙がまた難しいこと言いはじめた……)」
15時45分
目的地付近→本丸御殿
突然、GPSが反乱を起こした!!審神者「なんで?!
なんで突然、全く違う所にいるの?!
え?何、これ?!」
歌仙「よくは分からないけれど、衛星の情報なのだろう?
少し位置ずれしているだけなんじゃないか?」
審神者「いや、さっきから、場所と向いている方角がしっちゃかめっちゃかで……。
………
しっかりしろよ、GPS!!」
歌仙「次からは、地図と羅針盤を持って来よう。いいね?」
審神者「そこは審神者らしく賽子にしたいな」
歌仙「わかった。
君はそのまま、一生川越を彷徨うといい。
皆には僕から伝えておくから、安心して迷っておいで」
審神者「やーだー」
16時5分~
???→本丸御殿付近
審神者「何、この…いち、にー、さん、しー…五叉路?!
馬鹿じゃないの!?どっちに行けばいいの?!
池田屋の市中だってここまで鬼畜な分かれ道はないよ!?」
歌仙「おそらく、方角はあちらじゃないかい?
建物の位置だけで推測すると、その可能性が高い」
審神者「むぅ…時間もちょっとやばいし…行ってみようか……」
目的地付近の建造物を発見。
だが………。
審神者「もうやだこのGPS!!
もう何も信じられない…!!
こうなったら………現地の人に聞く…!
………すみませーん、ちょっといいですか?
ここに行きたいんですけど、道、わかります?」
地元の人「あぁ、ここならこの道を真っ直ぐ行って、右に曲がって…。
裏道になっちゃいますけど、その先を右に行く細い道がありますから。
そこを真っ直ぐ行くと坂になっていて、その先が丁度この付近ですよ」
審神者「ありがとうございます、助かりました!」
歌仙「……君は時折、奥手なんだか積極的なんだか人見知りなんだか、よく分からない行動をするよね」
審神者「人見知りは割りと克服したんだよ。
今の人は子連れだったから話しかけやすかったし。
それに、私自身、よく人に道を聞かれるから、頑張れば道くらい聞ける」
歌仙「なら初めからそうしてくれ」
審神者「けど、迷ったお陰でさっきの桜見れたし。
他にも色んな景色を見れて、時間にもなんとか間に合いそう。
結果的にはオッケーだよ、うん!」
16時10分
本丸御殿到着
審神者「着いた…!着いたよ、歌仙!
ようやく辿り着いた……!」
歌仙「無事に、とは少々言い難い旅路だったけどね」
審神者「着いたんだからいいの!よーし、中に入るぞー!
でも、多分、貴方の模造刀は持って入れないから、管理人さんに言われたら預けてスマホで本丸と繋ぐね。
こういう所で何かしでかしたら、政府や他の審神者さんからものすごーく怒られるだろうし……」
歌仙「あぁ、構わないよ。
武装解除しなければならない場だったら、僕のことは気にせず、楽しんでおいで」
審神者「だーかーらー。その時はスマホで繋ぐって言ってるじゃん!
噂の御手杵の鞘あるかなぁー?わくわく、わくわく…!」
つづく
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