第40回包囲されていた街に人間の息づかい 元首相を目撃、記者は追いかけた

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チェルニヒウ=国末憲人 竹花徹朗
【動画】空爆で破壊されたサッカースタジアム=竹花徹朗撮影
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 ウクライナに侵攻したロシア軍は、東部マリウポリなどいくつかの都市を包囲して徹底的に攻撃する戦術を採った。その標的の一つが北部チェルニヒウ。1カ月にわたり封鎖され、空爆を受け続け、最近解放された。ウクライナ当局の案内で9日に入ると、街には傷痕が生々しく刻まれていた。

ここに軍事関連のものはないのに

 閑静な住宅街だった一角に立ち並ぶ十数階建てのマンションが、軒並み崩れかけている。前面の道路には、がれきの山と焼け焦げた車。チェルニヒウ市中心部に近いチョルノビル通りの姿は、空爆の激しさを物語っていた。

 この地区にロシア軍の空爆があったのは、侵攻初期の3月3日。市によると、航空機から少なくとも6発の爆弾が投下され、49人前後が死亡した。

 この出来事から、すでに1カ月以上が経つ。「でも、がれきの下にはいまだに、遺体が収容されずに残っていると考えられます。遺体さえ確認できない不明者も少なくありません」と、ウラディスラウ・アトロシェンコ市長(53)が説明した。

偶然にも記者たちはチモシェンコ元首相と遭遇しました。記事の後半では破壊されたチェルニヒウのいまを動画でもお伝えします。

 空爆現場の道路向かいには…

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