第94回家に侵入したロシア兵「俺の相手を」 性暴力の悪夢、グレーの瞳に涙

有料記事ウクライナ危機 市民は今

チェルニヒウ州=高野裕介 マカリウ近郊=高野裕介
[PR]

 10分間、生き抜くことだけを考え、耐えた。

 3月28日、午後9時すぎ、ロシア軍が占拠したウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のチェルニヒウ州の村。オクサナさん(30)=仮名=の自宅の青い鉄扉を開け、泥酔した様子の男が入ってきた。目出し帽をかぶったロシア兵だった。

 「俺の相手をするか、殺されるか。どっちがいいんだ?」

 2週間ほど前、自宅の捜索に来ていた男だった。そのとき、男はオクサナさんを見て、「きれいな女だな」と、不気味な言葉を残していた。

ライフル持った兵士 家には4歳の娘と母が

 ライフルを手にした兵士には…

この記事は有料記事です。残り2328文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
高野裕介
国際報道部次長|欧州、中東
専門・関心分野
中東、紛争、外交、国際政治
  • commentatorHeader
    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2022年6月23日16時13分 投稿
    【視点】

    人間はなぜここまで残虐になれるのか。紛争下ですべてを失っただけでなく、軽々しくレイプされ、精神的苦悩を一生背負う女性たちの姿を何人も見てきました。 紛争下の「武器」としての性暴力の解説は過去の記事 https://www.asahi.co

    …続きを読む
ウクライナ情勢 最新ニュース

ウクライナ情勢 最新ニュース

ロシアのウクライナ侵攻に関する最新のニュース、国際社会の動向、経済への影響などを、わかりやすくお伝えします。[もっと見る]

連載ウクライナ危機 市民は今(全132回)

この連載の一覧を見る