桜之本丸

山城国のとある本丸。ここで起きる日常と戦いの日々を記録します。

2017年07月05日

二年目之章 これからはじまる物語


本丸 門の前


太鼓鐘「んじゃ、無事に務めも果たしたし…。
太鼓鐘貞宗、今より更に格好良くなる為、修行に行ってくるぜ!」

審神者「道中、気をつけてね」

太鼓鐘「ああ、主こそ。
みんながいるから大丈夫だとは思うが…。
あんまり無理や無茶はするなよ。
あんたを心配してるやつ、大勢いるんだからさ。
みっちゃん、俺のいないあいだ、主のことをよろしく頼む」

燭台切「オーケー。この子のことは僕に任せて。
貞ちゃんは安心して自分の修行をしておいで。
カッコイイ新衣装を期待して待っているよ」

太鼓鐘「ふっふっふ、乞うご期待ってね!
俺の方は帰ってきたら美味い飯を期待してるぜ、みっちゃん」




太鼓鐘を見送り、燭台切と別れた審神者は部屋へ戻った。


審神者「……………待たせた?」

巴形「主を待つのも仕事のうちだ。
俺と主を繋いだあの者は……?」

審神者「ついさっき修行に行った」


見送り


審神者「………?」

巴形「いや…なんでもない…」

審神者「………巴形って、どんな薙刀なの?」

巴形「どんな…とは?」

審神者「えぇっと、自己紹介!
……してくれる?」

巴形「…………」

審神者「…ごめん、無理にとは言わない」

巴形「主の命には従おう」

審神者「いや、命令じゃないからホント無理しないで?」

巴形「無理はしない。己の語れることを語るだけだ。
薙刀、巴形だ。
馬上用とも、小柄な者が扱うための形とも言われるが、もっぱら祭典用とされるな」

審神者「………?」

巴形「すまない。
主が期待する自己紹介がこれではないことはわかっている。
だが…俺には語れる過去が何もないんだ」

審神者「えっと……?
……あ、そういえば、巴形は同じ薙刀の集合体なんだっけ?」

巴形「その通りだ。
故に、俺には銘も物語もない。
名のあるここの刀達と違い、語れる過去が何もない。
それはつまり、現世での存在が定かではないということだ。
………意味がわかるか?」

審神者「物語と歴史が貴方達、刀剣男士を形作っている。
それがない貴方は一貫した明確な心がない、あるいはすごく薄くてそこにあるけど透明でそれを視るのは難しい。
薙刀として各所に存在してはいるけれど、どれも貴方であって貴方ではない。
歴史の中に明確な主というものが存在しないから、人との繋がりが希薄で他の刀と比べて現世から遠いって感じかな?」

巴形「……驚いた。
人間にしては理解が早い」

審神者「まあね、物の心を視るのは私の数少ない特技だから。
だけどよく間違えるし、絶対正しく読み解けている自信なんてないから、たまにちょっと不安になるけどね。
これが本当に…この子の心なのかな、私が歪めちゃってるだけなんじゃないのかなーってさ」

巴形「そうか…。
しかし、その心配は俺には無用だ」

審神者「どうして?」

巴形「先程も述べた通り、俺には物語がない。
間違えようにもはじめから本当の心などないのだ。
だから、俺のことは気兼ねなく使え」

審神者「……そっか。
じゃあ、貴方は私の巴形薙刀なんだね」

巴形「ああ、俺は主の巴形薙刀。
………他の誰の物でもない」

審神者「…………………。
よし、じゃあさ、巴形、これから一緒に作ろうよ」

巴形「………作る?鍛刀の命令か?」

審神者「違う違う、鍛刀はもうお腹いっぱい(笑)」

巴形「では何を作る?
主の命であれば何でも作ろう」

審神者「物語」

巴形「物…語…?」

審神者「うん。私と一緒に貴方のこれからの物語を作っていこう。
私、主としてずっと貴方の傍にいるから、貴方も刀剣男士として自分の物語を作って。
それが私から貴方への最初の主命。
…ここは皆の本丸で、そして貴方の本丸。
貴方という存在の明確な居場所。
だからさ、自分がいないって思わないでね。
うぅん、思ったっていい。
その時は私が何度だって「巴形はここにいるよ」って貴方に言うから」

巴形「(ここが…俺の…居場所……。
俺の本丸…俺の物語……この人が…俺の……)」

審神者「心配しなくても大丈夫。
私は貴方の主として、貴方を存在させ続ける。
貴方がここにいてくれるのなら、どんなに小さな心の声だって聴くし、希薄な心も視て、そして読み解いてみせるよ。
だから、貴方は巴形薙刀として今も、そしてこれからもここにいる。
主の私がそれを認めるよ」

巴形「……ありがとう。
会って間もない俺を認めてくれて。
この身、この刃、この心、これよりすべて我が主に捧げよう」





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目次


審神者

 桜之姫

審神者:桜之姫
初期刀:歌仙兼定
初鍛刀:秋田藤四郎

本拠:山城国
就任日:2015年8月15日

説明

✿この記録と桜之本丸について✿
この物語は刀剣乱舞において一審神者である私の体験と主観に基づいた記録です。
記録をはじめた当初は刀剣乱舞への理解も浅く今となっては過去の自分に言いたいことが山ほどありますが、その積み重ねで今の私がある、私が刀剣乱舞と共に在った確かな時間を記したものとして過去の未熟な点も受け留めて頂けたら幸いです。
自己の記録として綴ってはおりますが、完全に刀剣乱舞と別物とは考えていません。
しかしそれは私の記録は真の刀剣乱舞の一部だと断じるものではありません。
星型が夜空に煌めく本物の星の形をしていなくても地上で星と認識されるように。
心がハートの形をしていなくてもハートは心と認識されるように。
星を見て星型を作るように、心を想いハートの形にするように。
刀剣たちが語ってくれる刀剣乱舞を見て感じて体験して想い、それを私なりに考え私の主観から見えるその情景を形にしたもの。
それが私の本丸記録です。
星型もハート型も「それは星じゃない」「それは本物の心じゃない」と言えるでしょう。
それと同じように私の記録も「それはあなたの本丸であって刀剣乱舞じゃない」というご指摘は真理です。
その真理を受け留めた上で「私の本丸は私の本丸だから私の好きに解釈して良い」という捉え方ではなく、「私の本丸に刀剣乱舞を求めたい」という願いで私はこの記録を綴っています。 この記録はそんな私の彼らへの私なりに真剣な想いを形にして綴っている記録です。
未熟な点も至らぬ点も、敬ってくれる彼らに甘えることも、窒息しない程度に緩くやっている部分もありますが、私が何より敬い尊重するのは刀剣男士と彼らが語ってくれる刀剣乱舞という物語。 彼らへの愛と忠誠を誓い、そんな彼らと共に在る私の日々を私の主観で記録します。

✿刀剣男士について✿
当本丸記録で描かれている刀剣男士は審神者である私が解釈し扱うことで刀剣乱舞という物語外の動きをします。 刀の心が光を当てなければ人の目には見えない月ならば、刀剣乱舞はそんな月に光を当てて目に見えるようにした三日月。
私が照らす彼らはその暗闇に光を当てた時の姿。
それは三日月ではないけれど、同じ月で、三日月(『刀剣乱舞』)の為に時に欠けることを許します。
言葉とニュアンスで伝えるのは難しいですが、月のように光の加減で見える姿形は変わるけれど、月のように人にどう見えようと姿形が変わることなどないもの、ぐらいの感覚で受け留めてください。
この記録で語られている刀剣男士は、当然人間である私の主観が彼らに光を当てていますのでそういう姿形で見えるように浮かび上がります。
しかし、私は刀剣乱舞が私とは違う人間が光を当てた三日月が語る物語ということを重んじて大事にすると同時に、人がどう光を当てようと月は月であるという前提を重んじています。
それは私の記録では私の光が生み出す闇に隠れて見えないけれど、常にそれがあるという仮定を前提として彼らを扱っています。
刀剣乱舞という月と三日月たちを大事にした上で、それを別物私の物と捉えずに、私はあくまでも彼らを借りた上で主として自由に心を読み考え扱うことを許された存在であり、彼らという存在を図書館で借りた本のように捉えています。
それは借りた私が自由に使えるけれど、大事にしなければならない大切な借り物。
教科書の偉人の顔に落書きをするように楽しければ何をしてもいいという扱いをしたり、この本は好きだけどこの一言が気に食わないと修正液で塗り潰してなかったことにしたり、塗り潰した上に別の一言を書くなんて以ての外です。
私も最初は審神者の先輩方のほとんどがそういう扱いをしていてそれが正しいとされていたから、審神者は刀剣男士をそういう風に扱うべきなのかと思っていた時期もありましたが……。
長年審神者をやりながら考え続けた結果、それはおかしいという個人的な結論に至りました。
彼らは私たちの物じゃない、けれど私たちの物として扱うことを許された物。
それは自由に使うことが許されていても、図書館の本のように敬意を込めて大切に尊重して扱わなければならない。
そういった心持ちで、私は私の物として刀剣乱舞という物語を借りている私に敬意を払ってくれる刀剣男士たちを私も敬意と感謝を込めて取り扱えるように心掛けています。
私は刀剣男士たちを刀剣乱舞という物語が伝えたがっている心を考える為に使いたい、そしてそれをより多くの人に伝えてリスペクトできるように私の内面だけで処理すればいいこの記録を見える形にして残しています。
刀剣乱舞をご存知ではないお客様におかれましては、今後、審神者として就任することがありましたら、私や誰かの刀剣男士や今現在正しいとされていることに囚われず、あなた様の目と心で真剣に目の前の彼らと向き合って刀剣男士を顕現させて頂けたら幸いです。

✿桜之本丸の独自アイテム✿
・霊鏡
出陣中、審神者と刀剣男士との通信機としての機能が主な役割。令和・平成の時代で審神者がスマホから連絡を入れる際もこの霊鏡に繋がる。 本丸に数枚しかない為、基本的に近侍と第一部隊長が必ず一枚所持。 基本は審神者部屋に一枚、手入部屋に一枚、鍛冶場に一枚置かれているが誰かが持ち出すこともある。 連絡以外にも、時の政府への情報の送受信や戦闘データを解析しての誉の算出、戦場での地図確認、部隊の結成や刀剣男士の状態確認からスクリーンショットの撮影まで幅広い機能が搭載されていおり、動作速度などの性能は本丸に接続する審神者のパソコン・スマホのスペックと連動している。 大切な道具なので不具合があれば運営とこんのすけがメンテで直したりする。

©2015 EXNOA LLC/Nitroplus

三振り目

藤薙
三振り目の骨喰藤四郎。
名の由来は藤四郎と彼に似合う藤の花、そして元薙刀の薙刀直しを合わせて「藤薙(ふじなぎ)」。 グランブルーファンタジー~蒼天のえにし~で審神者が獲得した骨喰藤四郎の心を本丸で鍛刀した骨喰の依代を使い顕現させている。 顕現したばかりの頃、一振り目の骨喰に世話になった縁で彼とは仲良し。 憧れと尊敬の念を抱く一方で悪いところは自分の反面教師にしている。 その為か一振り目よりも精神的に大人で安定している面が目立つ。 しかし、それは一振り目がいてくれるからこそであり、自分が特別強いわけでも一振り目より優位だとも感じていない。 良い面も悪い面も、全部を含めて骨喰のことを理解し、同じ骨喰藤四郎だからこそ他者では理解できない部分まで正確に彼の心を把握している、そしてそれは自分に対する理解にも繋がり、それが己の弱さと戦う力になっている。 だからこそ彼は他の誰よりも、自分の弱さに呑まれそうな一振り目の骨喰藤四郎に幸せになってほしいと願っている。

紫電
三振り目の鯰尾藤四郎。
名の由来は「紫電一閃」「紫電清霜」という意味を込めて「紫電(しでん)」。 悩んだ末に引換所で交換した。初期刀以外で審神者がはじめて、そして唯一自分の意志で選び、手に入れた刀。 自身に宿るその意味を大事に、選ばれた刀として審神者を助けたいが、審神者が求める鯰尾藤四郎が自分ではなく一振り目だという矛盾に苦心している。 修行の果てに豊臣秀頼の自刃に使われたとされる説を自身の記憶として取り戻した。 極になっても気心知れない者に対しては相変わらず敬語と敬称を使って接し中々心を開かない。明るさの裏側で悩みも多いようだが、自分の今を精一杯生きるため日々頑張っている。同じ日に顕現した静形は彼の一番の仲良し。


二振り目

宗近
二振り目の三日月宗近。
蛍丸捜索時代に厚樫山で発見。
鶴永、国重と共に長い間、保管されていた。
二度刀解されたが、三度本丸に訪れたことにより顕現を許された

鶴永
二振り目の鶴丸国永。
蛍丸捜索時代に厚樫山で宗近のすぐ後に発見。
宗近、国重と共に長い間、保管されていた。

国重
二振り目のへし切長谷部。
名の由来は刀工の長谷部国重。
池田屋一階の最初のマスで入手したことにより、刀解されずに宗近、鶴永と共に保管されたていた。

骨噛
二振り目の骨喰藤四郎。
名の由来は骨喰の別名、骨噛み。
菖蒲と共に鍛刀された。

菖蒲
二振り目の鯰尾藤四郎。
名の由来は鯰尾造と似た菖蒲造。
骨噛と共に鍛刀された。

阿蘇蛍
二振り目の蛍丸。
名の由来は蛍丸があったと言われる阿蘇神社。
宗近(三度目)と共に厚樫山で発見。


映像記録

✿映像之記録✿

本丸での活動記録など
youtubeにて動画公開中。

舞桜

      翻译: