第3回上場はステータスなのか あえて選んだ非上場、信念を価値に繫げる道

有料記事資本主義NEXT 価値ある企業とは

小出大貴 杉山歩
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 上場企業は日本に約3900社もあり、この30年で2倍以上に増えた。ほぼ半減した米国とは対照的だ。企業にとって「ステータス」とみなされてきた株式上場。しかし、非上場を貫く会社や、上場を自らやめる決断をした会社の姿は問いかける。その上場は、本当に企業の価値を高めていますか?

 テレビ通販で知られるジャパネットホールディングスの経営の選択肢に、「上場」という2文字はない。

 「お金を出しただけの株主を意識することになり、お客さんと従業員の重みが減る。それが嫌だ」

 高田旭人社長は、はっきりと言う。テレビカメラの前で自ら商品を売り込んで有名になった父・明氏の時代から、非上場を貫く。「自分たちの理想とするものを追求できる」からだ。

 本社のある長崎県内で、サッ…

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    中川透
    (朝日新聞編集委員=経済、暮らしとお金)
    2024年1月6日12時52分 投稿
    【視点】

    「東証1部上場」という言葉の響きはかつて、働き手にとって大きなステータスでした。どんな仕事に就くかの「就職」よりも、どの会社に入るかの「就社」。今となっては古くさい考え方ですが、1部上場企業に就社すれば、終身雇用の慣行にも支えられ、比較的安

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連載資本主義NEXT 価値ある企業とは(全23回)

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