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2024年11月15日金曜日

tariff

第二次トランプ政権の発足を前に、キーワードとして上昇中なのが、"tariff"(関税)です。

トランプ氏は自身の公約の中で、海外からの輸入品に対する関税を引き上げると明言しており、中国からの輸入品に対しては60%という高い関税を課すと言っています。特に中国の安い電気自動車が欧米の市場を席捲しているとあって、関税率引き上げによって米国内自動車メーカーを守る意味合いは大きいものとなっているようです。


Trump’s tariffs are coming, that's for sure. On the campaign trail, he made imposing tariffs on foreign manufacturers a cornerstone of his economic plan and proposed a 10% tariff on most U.S. imports, a 60% tariff on Chinese-made goods, and potentially higher tariffs in select cases.

Tariffs on imports can boost domestic businesses by making foreign-made products more expensive. This helps American manufacturers become more competitive since many countries, such as China, Vietnam, and Mexico, pay workers low wages. As tariffs make foreign products more expensive than before, American consumers may choose domestically manufactured goods instead.
(Rohit Arora. Trump’s Tariffs: Will They Help Or Hurt Small Businesses? Forbes. November 13, 2024.)


別の記事で読んだのですが、トランプ氏は自身を、


a Tariff Man


と呼び、関税(tariff)というのはとてもよい言葉だと公言しています。「関税大好き男」だということです。

"tariff"というのは税率を示した「表」のことを指すのですが、その意味では、関税に限らず、いわゆる料金表や運賃一覧なども"tariff"と呼ばれます。

語源はアラビア語のta'rifという単語で、その意味は、知らせる(こと)、通知、というものです。

つまり、支払う側にとってみれば一方的に示されるものであり、仕方なく払わざるを得ないものということになります。トランプ氏が関税が大好きなのは、相手に有無を言わせず一方的に決めることができるからではないかと・・・。

2022年7月11日月曜日

assassin

安倍元首相が参院選の応援演説中に狙撃され死亡した事件は日本国内のみならず、海外においてもトップニュースで報じられました。

死去を受けて2日後の選挙投開票の結果は、与党自民党の圧勝となりました。


Japan's right-wing Liberal Democratic Party dominated the country's parliamentary election just two days after  former Prime Minister Shinzo Abe was assasinated

On July 8, Abe was killed in the Western city of Nara during a campaign speech by a man who used a homemade gun.

During Sunday's House of Councillors election, Kyodo News reported the LDP and its coalition partner Komeito secured more than 75 seats, giving the parties a majority in the 248-member upper chamber of parliament.
(Isabella Zavarise. Japan's right-wing Liberal Democratic Party dominates parliamentary election following the assassination of Shinzo Abe, who led the party for 8 consecutive years. Business Insider. July 10, 2022.)


安倍元首相が殺害された事件について、国内メディアでは、「撃たれ死亡」、「死亡(演説中銃撃)」、などという見出しがほとんどですが、海外では「暗殺」(assassination)という言葉が見られます。"assassination"は日本語で「暗殺」ですが、国内メディアでは海外報道でのこの単語を意識してか、括弧書きで用いています。(産経新聞7月9日朝刊)

"assassin"という単語について改めて見てみましょう。

フランス語から借用されたこの単語はアラビア語起源で、語源はhashishというインド大麻を指す単語だということです。

12〜13世紀頃、敵対する相手のリーダーなどを殺害した狂信的なイスラム教徒らは「アサシン派」と呼ばれ、暗殺実行前にはhashishを服用していると言われていたそうです。そこから、hashishの常用者という意味のアラビア語hashshashinが暗殺を意味する"assassin"になった、と言われ、


a person who commits murder, and especially one who murders a politically important person for money or ideology
(Merriam-Webster Dictionary)


という意味が定着しました。


2020年10月1日木曜日

inshallah

昨日行われたアメリカ大統領選候補者の第1回討論会で、バイデン元副大統領が使ったアラビア語が話題になっています。

発言が飛び出したのは納税問題を議論している中で、自身の納税額を公表しないトランプ氏に対し、公開するつもりがあるのかないのかをバイデン氏が迫った、というようなコンテクストです。


(CNN) — During one of the more charged moments of the chaotic US presidential debate, former Vice President Joe Biden dropped a phrase from everyday Muslim and Arab vocabulary and lit up the internet.

Pressing President Donald Trump on when the American public would get to see his long-anticipated tax returns, Biden questioned: "When? Inshallah?" 

In certain vernacular, "inshallah" serves as a non-committal response to a question. 

(Tamara Qiblawi. Biden uses 'inshallah' in response to Trump during debate, lighting up Twitter. CNN. September 30, 2020.)


話題になっているアラビア語は、


inshallah


という単語ですが、辞書を引くと、


if Allah wills : God willing

(Merriam-Webster Dictionary)


と定義されており、間投詞(interjection)ということになっています。

文字通り訳すならば、アラーの神が望むならば、というようなことになりますが、引用したCNNの記事では以下のように説明されています。


Taken literally, the term "inshallah," consists of three Arabic words (In sha' Allah) which translate into "if God wills it." Spiritually it represents a submission to God's will. It can perhaps be seen as the Muslim counterpart to the Yiddish adage, "Man plans, and God laughs." 


Children in the Muslim world will often say that when a parent responds to a question with "inshallah," it signals an unfulfilled promise, while unreliable timekeeping is lightheartedly chalked up to "inshallah timing." 

(ibid.)


つまり、神意に服するという信仰心の表すものではあるのですが、俗世の用法としては約束を果たす意思に乏しいことを意味する、ということなのです。

日本語で言えば、そのうちやります、多分・・・、やるかもね・・・、というような、約束を果たす意思に疑問符が付きそうな消極的な態度を表しています。

バイデン氏は、トランプ氏が納税額を公表する意思など本当は無いのだということを当てこすって、皮肉を込めてこのアラビア語の単語を使ったようです。

しかしながら、果たしてこの単語のチョイスが良かったのか、適切だったのか、については、議論が分かれる模様です。


For many in the Muslim and Arab world, the phrase retains its original spiritual purpose. Far from providing license for fickle behavior, "inshallah" represents a relinquishment of control over the uncontrollable. It is an acknowledgement that while one will try to fulfill their goal, there could be God-like circumstances that may get in the way. To many, the utterance of the phrase is an exercise in humility. 

(ibid.)


そもそもが信仰心を表明する表現であり、人知ではコントロールのしようがない事柄があることを認め、故に神への畏怖を背景とする表現を軽々しく使ったという批難もある訳です。


2016年7月21日木曜日

サウジでポケモンGoは禁止 ― fatwa

ポケモンGo(Pokemon Go)というオンラインゲームがここのところ急上昇!?しています。

先日アメリカでリリースされたところ、スマホアプリとしてのダウンロード数が急増し、公共施設など街中で所構わずゲームに興じる人たちが批判されるなどしています。

日本でも公開間近ということなのですが、ちょうど夏休みのスタートと重なり、学校がアプリ利用についてのガイダンスを出すなど、騒がしくなってきています。

ところで、サウジアラビアでは、ポケモンGoを禁止するという御触れ(!?)が出されたそうです。


Top clerics in Saudi Arabia have issued a fatwa banning the playing of Pokemon Go as a form of gambling.

The decree was issued by General Secretariat of the Council of Senior Scholars on the website of the General Presidency for Scholarly Research and Ifta, Arab News reported Wednesday.

The edict actually updates an existing ban on the Pokemon card and video games before they morphed into the mobile phone virtual reality game that has swept the world.
(Doug Stanglin. Fatwa No. 21,758: Saudi clerics ban Pokemon Go. USA Today. July 20, 2016.)


「御触れ」という珍妙な日本語を使ってしまいましたが、記事では、


fatwa


という単語が使われています。"fatwa"というのはアラビア語なのですが、イスラム法の法解釈について宗教指導者が出す公式見解のようなものだといいます。

ポケモンGoはイスラム教が禁じるところのギャンブルに相当する、というのがその理由です。

"fatwa"という単語が英語に浸透してきたのは1989年頃、イランのホメイニ師が、作家のサルマン・ラシュディー氏の著作がイスラム教を冒涜するとして死刑宣告をした「ファトワ」がきっかけということです。(そのせいか、「ファトワ」、イコール「死刑宣告」という誤解もあるようです。)


2015年10月15日木曜日

intifada

見慣れない単語です。初めて見ました。

"intifada"という単語ですが、スペルからして英単語らしくありません。


This latest Palestinian uprising is a Facebook intifada

TEL AVIV, Israel — They are young, apparently unaffiliated with any political or terror group and brimming with fury over Israel's occupation of Palestinian territories. Their weapons of choice: rocks, knives and social media.

Like the Arab Spring revolutions of 2011 and the recruitment success of the Islamic State, the spreading violence against Israelis in recent weeks seems to have been sparked by spontaneous combustion on Twitter and Facebook, rather than by organized political groups. Social media have been crucial in mobilizing Palestinians for protests, disseminating information and feeding outrage against Israel.
(Shira Rubin. This latest Palestinian uprising is a Facebook intifada. USA Today. October 15, 2015.)


ところが、英和辞書に載っている単語です。ランダムハウス英和では、


インティファーダ


というカタカナになっています。

"intifada"というのは、中東におけるガザ地区とヨルダン川西岸をイスラエルが占領していることに対するパレスチナの抵抗運動を指しており、アラビア語で「蜂起」を意味するということです。


 
  翻译: