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2024年12月31日火曜日

funny bone

年の瀬、著名人の方々の訃報が伝えられています。

アメリカの有名女優の訃報記事から引用です。


Linda Lavin, who tickled our funny bones and broke our hearts, is mourned by Broadway

Linda Lavin, who died Sunday at age 87, was a captivating Broadway star beloved by audiences for her electrifying contradictions.

A celebrated fixture of the New York stage for six decades, the Tony Award-winning actress was just 5-foot-3-inches tall yet towering; maternal and volcanic; glitteringly musical and groundedly real; hilarious and heartbreaking.

Her sardonic punch line could be followed by a shattering gut punch a second later.
(Johnny Oleksinski. Linda Lavin, who tickled our funny bones and broke our hearts, is mourned by Broadway. New York Post. December 30, 2024.)


詳しくは存じ上げませんが、ブロードウェイで長年活躍し、トニー賞受賞などの経歴があるそうです。

記事のタイトルで、


tickled our funny bones...


とあります。"funny bone"というのは変わった表現ですね。辞書を引くと、


(ひじ先の)尺骨の端、うずく骨(尺骨神経が通っていて打撃に鋭敏)
ユーモアを解する心
(研究社新英和大辞典)


とあります。ここでは恐らく後者(ユーモアを解する心)の意味で用いられていると思われ、亡くなった女優は見る人を笑わせるパフォーマンスに長けていたのだろうと思われます。

"funny bone"は別名、"crazy bone"ともいうそうです。腕の肘辺りの骨と笑いのツボ(?)が繋がるという英語の発想は中々ユニークに思われます。

日本語ですと、笑いに関連する表現では、腹が捩れる、とか腹を抱える、といった表現がまず思い浮かびますので、笑いと繋がる体の部位は腹部であり、腕やその骨ではありませんね。




2024年5月15日水曜日

grow a spine

今日の1語ですが、


grow a spine


という、ちょっと聞き慣れない表現を取り上げます。

では、ニュース記事の引用をお読み下さい。


The president of Northwestern University near Chicago threatened anti-Israel agitators with "disciplinary action," which critics say came after the school was hit with a U.S. House committee's investigation into antisemitism on campus.

(中略)

Liora Rez, the founder and executive director of StopAntisemitism, told Fox News Digital that Schill's statement against the protesters was long overdue.

(中略)

Rez argued that Schill only "grew a spine" due to the House Committee on Education and the Workforce launching an investigation into the university's response to antisemitism on campus.
(Sarah Rumpf-Whitten. Northwestern University president 'grew a spine' after hit with House committee investigation: watchdog group. Fox News. May 14, 2024.)


記事中、"grow a spine"というフレーズの主語になっているのは、Northwestern大学の学長Schill氏です。

イスラエルとハマスの戦争を契機として、全米の大学でイスラエルを非難するデモ活動が活発化し、一部では暴徒化していることについては先日も取り上げました。

今回引用の記事で話題になっているのは、Northwestern大学の学長がこうした暴徒化したデモ活動に関わっている学生を処分すると明言したというところにあります。

ある意味、強硬手段とも言え、言論の自由は認めても暴力行為や破壊活動は許さない、という態度を鮮明にしたということであり、これが"grow a spine"と表現されています。

この学長は反イスラエルを主張する学生寄りの態度が疑問視されていたようですが、大学を舞台にした反ユダヤ主義活動が社会問題化する中で態度を変えたもののようです。日本語で「弱腰」とか「腰がひけている」という表現がありますが、これに相対するのが"grow a spine"の意味するところとも言えます。

このフレーズですが、手元にある英和辞書を始め、いつも参考にするAmerican HeritageやMerriam-Webster等も見ましたが説明は見当たりません。

"spine"とは背骨、脊椎のことですが、気骨、気概という意味があり、"grow a spine"というフレーズは人がその気概を示す、勇気を出して事にあたる、といった意味で用いられるようです。

なぜ辞書で取り上げられないのか不思議に思いますが、コーパスを検索すると多くの実例がヒットし、定着した表現のようです。


Believe me, the reality gap between campaign pledges and reality matters to a lot of us. The president and the Democratic Party need to grow a spine, or they can expect future losses.
(San Francisco Chronicle, 2010)


背骨を指す"spine"は"backbone"とも言いますが、故に、


grow a backbone


というフレーズもあり、"grow a spine"と同じように用いられ、これまた定着しているようです。

2021年1月26日火曜日

feel in one's bones

小説を読んでいましたら、"feel it in my bones"という表現に出くわしました。

意味は何となく分かりましたが、辞書を確認すると、


直感する、ピンとくる; (・・・ではないかと)感じる
(ランダムハウス英和辞書)


とありました。

手元にあるCollins-Cobuild Dictionary of Idiomsでは、"feel something in your bones"というエントリで、


If you say that you can feel something in your bones, you mean that you feel very strongly that you are right about something, although you cannot explain why. Verbs such as 'know', 'believe', and 'sense' are sometimes used instead of 'feel'.


と説明しています。

微妙に意味は異なるかも知れませんが、自らの直接的な感覚を表現する日本語として、「肌で感じる」という表現があります。

日本語では肌という外部にさらされた表面で感じることを、英語では骨という体の奥深くの見えない部分で知覚するという違いは興味深いものがあります。

骨(bone)という体の部位に対するこのような捉え方は不思議に思われましたが、Merriam-Websterで"bone"の意味を確認すると、解剖学的な骨という部位の意味以外に、"essence, core"という意味があり、また"the most deeply ingrained part"とも定義されており、自分自身が感じる、知覚するものというのは、体の奥深くに根差しているというその感覚も少し理解できるように思われました。

Collins-Cobuildの例文を引用します。


Joe, I have a hunch you're going to lose tonight. I just feel it in my bones.


先に引用した解説にあるように、動詞は"know"であったり、"believe"であったり、その他の動詞で代用されることもあります。



2017年1月4日水曜日

jawbone

自動車メーカーのフォード社がかねてより計画していたメキシコでの工場建設計画を白紙撤回し、アメリカ国内に工場建設すると発表しました。

トランプ次期大統領の圧力に方針転換した格好です。


On Tuesday, the automaker announced that it was scrapping plans to build a $1.6-billion plant in Mexico. Instead, Ford said it would invest $700 million to expand a Michigan plant to build hybrid, electric and autonomous vehicles that will add 700 jobs there in a move that Chief Executive Mark Fields described as a “vote of confidence” in Trump’s economic policies.

Ford’s decision, combined with a Trump tweet targeting rival General Motors Co., signaled his broader intentions to use jawboning, and perhaps trade penalties, to convince automakers to stop expanding production in Mexico and create more jobs in the U.S.
(Jim Puzzanghera. In 'vote of confidence' for Trump, Ford cancels Mexico factory and will invest in Michigan. The Los
Angeles Times. January 3, 2017.)


"jawbone(ing)"という表現が使われています。文字通りに訳せば「顎の骨」となりますが、どのような意味があるのでしょうか?

Merriam-Webster Dictionaryを検索しますと、


the use of public appeals (as by a president) to influence the actions especially of business and labor leaders; broadly : the use of spoken persuasion


という定義が載っており、権力者が自身の見解、意見表明により雇用者などのビジネスリーダーの行動に影響を与えること、ということです。

つまり、権力者の意見なので無視出来なくなり、結果従わざるを得なくなる、ということですね。

「顎の骨」が何故このような意味になるのでしょうか?

Merriam-Websterに由来の説明がありました。

"jawbone"は元々、credit(クレジット、信用)という意味で使われていたそうです。これは、他人に金を借りる際に相手を口で説得していたからで、顎の骨というのは話す事、説得力のメタファーなのです。

この意味が次第に変容してきて、"jawbone"が権力者や富裕層による目的達成のためのレトリックという意味に発展したのは1960年代後半のことだそうです。


2016年7月22日金曜日

肉がお嫌い!? ― bone to pick

イタリアの地方都市の知事がベジタリアン宣言!?

知事本人がベジタリアンになるのは自由ですが、市民にもそれを要求となるとどうなんでしょうか?勿論、強制ではないようですが・・・。


The new mayor of Turin in the Piedmont area of Italy has a bone to pick with meat – she is seeking to turn the region into Italy’s first “vegetarian and vegan” city through the promotion of a meatless-diet, Italian media reported.

Mayor Chiara Appendino of the anti-establishment Five Star Movement is advocating for plant-based foods as an alternative to the authentic meat dishes that have inspired cooking in northern Italy for centuries.

Appendino, 32, who was sworn into office last month, making her the 20th mayor of Turin, pledged this week that the promotion of a vegetarian and vegan diets will be a “priority” in her administration in an unprecedented move in Italian government.
(Natalle Musmeci. Italian mayor wants all of her city to be vegetarians. New York Post. July 21, 2016.)


肉食ではなく、野菜中心の食事を推進するということのようですが、学校などの教育現場でも「肉食の短所」を教育していく方針ということらしいですから、やや過激な政策のようにも思われます。

記事の冒頭で、


(The new mayor) has a bone to pick with meat


とある部分に着目しましょう。

"have a bone to pick with"とは、with~以下の目的語について、「文句がある、苦情がある」、という意味の成句です。

ここでは、知事が肉(meat)について一家言あり、というような意味でしょうか。

ところで、"have a bone to pick with"がなぜこのような意味になるのか不思議ですね。"bone"を使った表現や成句にはこれまでも、


bone of contention
bare-bone
make no bones about


などを取り上げてきましたが、"have a bone to pick with"の"bone"とは何かにつけて諍いになるものという意味で、"bone of contention"のそれに近いように思えます。


2016年1月25日月曜日

大雪で鉄道間引き運転 ― bare-bones

週末から日本列島を寒波が直撃し、西日本などで大雪になりました。暖冬と言われていたのに、寒さが厳しさを増しています。

さて、本日の投稿のタイトルは日本の話ではありません。

首都圏を含む関東地方が大雪に見舞われたのはちょうど一週間前の月曜日でした。小生が住んでいる地域では積雪はありませんでしたが、ところどころで積もったらしく、都心部でも路面が雪に覆われ移動に難儀する人々の様子が写真付きで報じられました。私自身はその日、出勤せず自宅での勤務(いわゆるテレワーク)でしたので難儀せずに済んだのですが、通勤せねばならなかった人は職場まで何時間もかかったらしく、大変だったようです。

その原因として、首都圏の鉄道の多くがいわゆる「間引き運転」をしたことで、通勤客が駅にごった返し、混乱に拍車をかけたと指摘されています。

さて、下記はアメリカ・ワシントンD.C.からのニュースです。


The Washington, D.C. area's Metro trains will begin providing a limited service starting at 7 a.m. on Monday, the Washington Metropolitan Area Transit Authority said on Sunday, adding that fares will not be charged.

Also, the bus system will only run on 22 routes, and avoid hilly terrain, narrow side streets and other areas that could experience problems from the major blizzard that hit the U.S. capital over the weekend. The buses will run every 30 minutes, WMATA said in a news release.
(Washington's Metro system to run limited service on Monday: WMATA. Reuters. January 24, 2015.)


「間引き運転」はある意味やむを得ない決定かもしれませんが、交通機関は事前にプレスリリースとして間引き運転を公表しているところが日本と違います。アメリカ人の気質からして、多くの勤め人はこんな日はお休みにしてしまうでしょう。

さて、他のメディアで使われている表現に目が留まりました。下記をごらんください。


Metro will run bare-bones service Monday; local officials urge people to stay off the roads

Metro will run extremely, extremely limited (and free) service Monday. Meanwhile, local jurisdictions are working to plow roads, and DC is recruiting people to help shovel sidewalks. What do you think of the region's snow recovery efforts?
(David Alpert. Metro will run bare-bones service Monday; local officials urge people to stay off the roads. Greater Greater Washington. January 24, 2016.)


"bare-bones"という表現です。

"bare-bones service"と"limited service"はほぼ同義と推察されます。

"bare-bones"という表現にはあまりなじみがありませんが、痩せて骨張っている状態を指す形容表現です。そのことから、


乏しい


という意味で使われるようですが、コーパスで用例を検索してみると、


必要最小限の


という意味で使われています。

記事における、"bare-bones service"はまさに「間引き運転」のことなのですが、“必要最小限”かと言われると唸ってしまいます(苦笑)

サービスを必要としている人は沢山いるのですから・・・。


2014年5月19日月曜日

make no bones about

米国ファイザー社による、イギリスの大手製薬会社アストラゼネカの買収提案が話題になっていますが、この話、どうもそう簡単にうまく行かないようです。


For all the attention it's gotten, the anticipated merger between Pfizer Inc., the New York-based pharmaceutical giant, and its British rival AstraZeneca is far from a done deal. Pfizer has yet to make a formal offer, as its CEO told a parliamentary hearing last week; it has only broached informal proposals that AstraZeneca has so far rebuffed.

But if the merger does go through, Pfizer makes no bones about its intention to shift the company's legal domicile to the United Kingdom, thereby saving a fortune in taxes. As a US business, Pfizer’s foreign earnings are subject to a combined 42.1 percent corporate tax rate — the 35 percent federal rate plus New York’s 7.1 percent. As a British company, its top tax rate would fall to 21 percent. The difference could amount to $1.4 billion a year.
(Jeff Jacoby. Only Congress can stop Pfizer from fleeing high US taxes. The Boston Globe. May 18, 2014.)


ファイザーはなぜAZ社の買収にこだわるのでしょうか?

色々な理由があると思いますが、ファイザー社が買収提案に関して言っていることの1つに、合併が実現したならばファイザー社は本拠をイギリスに置く、ということがあります。

専門家によりますと、本拠をアメリカからイギリスに移すことで、ファイザー社は何十億ドルというセービング(節税)の恩恵に預かることができるそうです。

さて、今日取り上げる表現ですが、


make no bones about...


という表現に着目しましょう。辞書を引くと、“・・・を率直に認める”という意味が載っていますが、もう1つ


・・・をためらわない;平気で・・・する


という意味もあります。つまり、遠慮がない、“臆面もなく~”、ということです。

前者の意味(率直に認める)はニュートラルに響きますが、後者の意味(ためらわない;平気で・・・する)には多少の批判が滲んでいます。

Collins Cobuild Dictionary of Idiomsには以下のような説明があります。


If you make no bones about something, you do not hesitate to express your thoughts or feelings about it, even though other people may find what you say unacceptable or embarrassing.


記事は以下のように続いています。


Outrageous? Indeed. But the outrage isn't the wish of an American corporation to lower its tax bill. It is a US tax code so punitive and counterproductive that it can drive a company like Pfizer, which was launched in Brooklyn in 1849, to turn itself into a foreign corporation.
(ibid.)


節税のために本拠を国外に移すというファイザー社の考え方に対して、けしからんという批判が当然出てくるとしながら、アメリカの税制が世界レベルで見て非常に厳しいことから、ファイザー社の考え方にも一定の理解を示しているように読めます。


2012年7月9日月曜日

争いの“種” ― bone

週末の7日土曜日に野田総理大臣が尖閣諸島を国として買い取る方針を表明したことが話題になっています。当然といいますか、中国や台湾が反発し、最初に購入計画を実行に移した東京都の石原知事は、「黙ってみておけ」(産経新聞)と意に介さず、と報道されています。

この件に関するBusiness Week誌での記事がありましたので引用してみます。


A Japanese government plan to buy uninhabited islands owned by a private investor provoked condemnation from China, which also claims it owns the rocky outcroppings, the latest flare-up in a dispute over territory and resources in the East China Sea.

Prime Minister Yoshihiko Noda on July 7 said the government is considering a purchase of the islands, Kyodo News reported. China’s Foreign Ministry responded with a statement that the islets belong to China and “can’t be bought or sold.”

The dispute over who controls the islands, known as Senkaku in Japanese and Daioyu in Chinese, escalated in April after Tokyo Governor Shintaro Ishihara said he wanted to use public money to buy them. Sovereignty over the area, which has undersea natural gas and oil fields, has been a flash point between the world’s second- and third-largest economies.

“Clearly the reason why the Senkaku Islands are a big bone of contention is the potential for resources,” said Jeff Kingston, head of the Asian Studies program at Temple University in Tokyo. “Governor Ishihara has caused a headache for the government and what they’re trying to do is engage in damage control by getting the islands out of the grips of Ishihara, who’s trying to politicize this for his own gain.”
(Japan Plan to Buy Islands Draws China Ire. Business Week. July 8, 2012.)


尖閣問題について後段、


Clearly the reason why the Senkaku Islands are a big bone of contention is the potential for resources


とある部分に注目します。"a big bone of contention"とは、日本語に訳すならば、“争いの大きな種”とでもなるかと思います。

日本語では争いの“種”ですが、英語にすると"bone"(of contention)、つまり“骨”となるのが面白いと思いませんか?

辞書を引きますとたしかに、"bone"には、


(争いの)種、原因、争点;論点、論題


といった意味があります。American Heritage Dictionaryでは、"bone of contention"というイディオムとして、"the subject of dispute"と解説されています。

"bone"が争いの“種”としての意味で用いられるようになった経緯は分かりませんが、私の独自見解は、イヌが1つの骨を取り合う、争う、そんなイメージがあります。

ということは、中国も台湾も、石原知事も野田首相も、みんなイヌ??

失礼しました(笑)


 
  翻译: