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2010年2月12日金曜日

日本には不思議な鳥が・・・ - albatross

今週のテーマ、“日本には不思議な鳥が・・・”、は本日が最終回です。

さて、albatrossは、日本語では“アホウドリ”とされています。何ゆえ、“阿呆”なのか?

東邦大学の長谷川教授によりますと、陸上での移動がのろまで、人にも簡単に捕まえられることに対して付けられた蔑称であるということです。私の出身地である山口では、沖に住む美しい鳥という意味で“沖の太夫”と呼ばれているそうですが知りませんでした。長谷川教授は、“アホウドリ”という侮蔑的な呼称を改めることを提唱されているようです。

英語のalbatrossには、当然ですが、“阿呆”のような意味は勿論、メタファーとしてもありません。その代わり、ということでもないでしょうが、文学史上に輝く詩作においてある象徴として用いられたために、メタファーとしても特別な意味で用いられます。

その詩作とは、Samuel Taylor ColeridgeのThe Rime of the Ancient Marinerというものなのですが、航海中にalbatrossを殺めた漁夫はその後ずっとその罪に苛まれることになります。

an albatross around one's neck

という成句があります。頭痛の種、とか罪の烙印、というような意味で使われます。首の周りにまつわりついてくる厄介なものということですが、私は何故か飛行機に乗るときに首周りに装着する簡易まくらを思い出します。エコノミークラス御用達のアレですが・・・。エコノミークラス利用は前世の罪の烙印・・・?


Daniel Sullivan, who pleaded guilty to assault causing bodily harm in the attack that sent Gallagher to hospital after a 2008 concert on Toronto Island. "Mr. Sullivan has had this unfortunate matter hanging like an albatross around his neck for a year and a half," lawyer John Collins said in court Friday.
(The Vancouver Sun. February 6, 2010.)


2010年2月11日木曜日

日本には不思議な鳥が・・・ - crow

カラスから連想されるイメージは日本語では必ずしも良いものではありません。

“日本には不思議な鳥が・・・”でも、カラスのように“真っ黒”、と“黒”というカラーの持つネガティヴなイメージが前面に押し出されています。

英語ではどうなのでしょうか?

英和辞書などを見ますと、やはりカラーとしての“黒”ということから、軽蔑的に黒人を指す意味としても用いられるようです。また、やはりイメージとしてはネガティヴなようであり、文学などでも死や悪運の前触れとして描かれたり、引き合いに出されることが多いようです。

興味深い表現のひとつに、


eat crow


というものがあります。カラスを食べる!?

食用のカラスなんて聞いたことありません。そういう連想からか、


屈辱に耐える、苦しみなどを甘受する


という意味になるようです。

Between then and now, our mayor-elect learned his lesson. And it wasn't about eating crow or lowering his standards. It was about being wise enough to look, listen and learn.
(The Open Forum. Denver Post. 2003.)


もう1つ引用しますが、これは意味がよく掴めない用例です。

On the Toyota Menu this Week: Crow

Toyota will endure perhaps the two most distasteful aspects of Toyotagate this week: First, a recall on their crown jewel, the Prius. Second, a calling on the carpet Wednesday the 24th in front of lawmakerswho will barely grasp the answers to their own questions but have a lot of cameras there as they don't.
(Brian Cooley. CBS News. February 9, 2010.)


トヨタのプリウスのリコール問題に関する記事なのですが、記事見出しの"crow"の意味が掴めないでいました。

先に引用した、"eat crow"という成句について調べてから、何となくこの記事見出しの言いたいことがわかるような気がします。"menu"という語も、なるほど!という感じがしませんか?

一連の不祥事を受けて、トヨタが甘受しなければならない苦しい状況が話題になっているのです。

トヨタの社員食堂のメニューにカラスはあり得ないとは思いますが・・・。


2010年2月10日水曜日

日本には不思議な鳥が・・・ - pigeon

本日、目出度く200件目の投稿となりました。みなさま、当ブログ記事のご愛読ありがとうございます。

さて、今週のテーマ、”日本には不思議な鳥が・・・”ですが、本日取り上げる単語は”本丸”でしょうか、pigeonです。

鳩は平和の象徴として知られますが、さて、英語のpigeonにもそういう象徴的意味があるのか?

American Heritage Dictionary、Merriam Webster Dictionar・・・など、pigeonと平和(peace)を関連付ける記述は見当たりません。

むしろ俗語ですが、

Slang. One who is easily swindled; a dupe.
(American Heritage Dictionary of English Language. Third Edition.)

というような定義が見つかります。

これは意味的には、一昨日取り上げた単語、duckと同じだと思うのですが、騙されやすい人=カモ、ということだと思います。

しかしながら、色々なソースをあたったのですが、"duck"と同様、”カモ(騙されやすい人)”という意味での用例を見つけるに至りませんでした。

もっぱら出てくるのは、


pigeon hole


という表現です。これは、ハトの巣箱を形容した表現ですが、ハトが出入りする巣箱のように、”狭苦しい”という意味のようです。動詞としても用いられ、書類や情報を分類する、分類の仕切りに従って仕分ける、という意味があるようです。

ポイントはその仕切り方が、”細かい”というところにあるようです。系統立てて仕舞うことには違いないのですが、ニュアンスとしては細かすぎる、という含意があると思われます。


Willie Mays's baseball career did have something of the mythic about it—magical throws, dervish moves on the basepaths, home runs whacked into upper decks. And, always, that baseball cap flying off, as if Superman were madly shedding his cape. You watched Willie Mays and you understood that baseball was a glad game, meant to be played in the sunshine.

I once asked major-league baseball's official numbers-keeper, Seymour Siwoff, if he could put Willie into perspective. "When you think of other great ballplayers," Seymour said, "you think of them in a certain way—DiMaggio loping after a fly ball, Williams with that swing. But Willie Mays—you can't pigeon-hole him."

It must not be any easier writing his biography—where do you start?— but James S. Hirsch has done the job admirably, if at times annoyingly, in "Willie Mays: The Life, the Legend."
(Eskenazi G. A Giant of the Diamond. Wall Street Journal. February 6, 2010.)

2010年2月9日火曜日

日本には不思議な鳥が・・・ - parrot

お馴染みの鳥、オウムです。

話しかけるとそのとおりを繰り返す、というのを体験した方も多いでしょうか?American Heritage Dictionaryの定義を引用すると、下記のようにありました。


Any of numerous tropical and semitropical birds of the order Psittaciformes, characterized by a short hooked bill, brightly colored plumage, and, in some species, the ability to mimic human speech or other sounds.
(American Heritage Dictionary of English Language. Third Edition.)


"mimic"という動詞は、真似る、という意味ですが、オウムという鳥が持つこの特殊な能力から発展した意味として、

(機械的に)反復する、繰り返す、
(訳も分からず)猿真似する、


という意味があります。この用法にはやや軽蔑が込められており、”機械的に”、あるいは”分けも分からずに”というところがポイントです。

この話題にしてこの引用、という感がありますが、まさしくぴったりの引用です。


The secretary-general of the governing party declared war against prosecutors in a party convention, and was applauded by party members. The prime minister, who heads the party, fanned Ozawa's battle against prosecutors saying, "Please stand firm." The gloomy and chilly scene of the convention, which was characterized by absolute obedience to Ozawa, will be long remembered and handed down to the next generation.

When asked how he views Ozawa's hostility against prosecutors, one DPJ legislator replied, "It's a fight between the DPJ-led government elected by the public and bureaucracy (which includes prosecutors' offices)." An idea like this has undoubtedly poisoned the party.

(中略)

The legislator explained the situation by combining such words as "the public" and "bureaucracy" in an easy-going manner, but his explanation shows that he does not understand the feelings of ordinary people and bureaucrats. Democracy in which legislators like him are mass-produced under the leadership of a strong-armed secretary-general will obviously lead to a gloomy future. The legislator simply parroted Ozawa's words.
(Japan's gloomy political scene. The Mainichi Daily News. January 18, 2010.)

2010年2月8日月曜日

日本には不思議な鳥が・・・ - duck

日本には不思議な鳥がいる・・・、というネットの落書きが注目を集めているようです。

現職総理大臣を揶揄したもののようですが、言い得て妙、という感があります。

読んでいて思ったのですが、言語が鳥の名称に込めたメタファーには興味深いものがあります。

英語のduckは、日本語では"カモ"もしくは"アヒル"です。"カモにされる"という表現からは、騙される、という意味がありますが、英語のduckにも俗語として、騙されやすい人間という意味があるようです。

ただ、実例を探したのですが、そのものずばりというものがありませんでした。

英語のduckは果たして、日本語でいうところの"カモ"(騙されやすい人間)という意味で名詞的に使われているのでしょうか?実例をご存知の方はお寄せください。

調べていて分かったのですが、 lame duck という表現が、特に政治のコンテクストではよく用いられているようです。

日本語では、"お払い箱"、つまり後任が決まっていて、もはや用済みという感のある人(そのようなポジションにある人)のことを言うようです。


If he loses it's hard to see how he can ever regain his authority. He's already seen widely as a lame duck Prime Minister.
(Dictionary of Idioms. Collins Cobuild.)



 
  翻译: